第1243話 流石に引いてるご主人様
「ふぁー、ねみ」
王都をアイスと戯れてに陥落させた俺は、空中から皆の様子を眺めていた。
従魔たちに何かをさせること自体には心配はないが、もしかすると万が一というのがあり得てしまうから、やっぱり見ておきたくなる。
まあ、始まりの街も第二の街も普通に陥落させてて、心配するどころか、うちの従魔はここまでするのか、とちょっとビックリしてしまった。全く、誰に似たんだろうか。
さて、第三の街、第四の街はどうなっているかなー、確か第三はアシュラとペレ、第四はアスカトルとハーゲンだったよな? 一体どんな風にプレイヤーを地獄に落とすのだろうか?
そんなことを考えていると、
「ん? 掘ってる?」
アシュラが三対の腕で一心不乱に穴を掘っている。流石に腕の力と本数が人間のそれではないから、瞬く間に穴が大きく深くなっている。ただ、ここからどうやって第三の街を地獄絵図にするというのだろうか?
ってか、ペレは何してるんだろうか。アシュラの隣で手伝わずに、座禅のような態勢をとってじっとしている。なんだ? オーラでも錬成しているのか?
まあ、いいや、第四の街を見てみよう。こっちは......え?
「もう終わってる??」
俺がよそ見してる間に?
ってかマジでそんなに時間経ってないと思うんだが。第四の街には蜘蛛の糸とか、建物が倒壊した跡とかは残っているものの、肝心の生物が一切見当たらない。本当に根絶やしにしてしまったのだろうか。
ん、いや待てよ。
よく
でも、そんなことあり得るか? 周りの建物がぶっ壊れ始めたら流石に異変に気付いて抵抗したり、逃げたりを試みたりしそうなものだが?
「あぁー、そういうことか」
蜘蛛の糸がヒントだったか。
恐らく、アスカトルに配下を召喚させて、第四の街に忍びこませたんだろうな。そして、小さな小さな子蜘蛛たちで人間たちを拘束していった、ってことか。
普通、小さな蜘蛛に限らず、蜘蛛の糸なんて人間からしたらたかが知れてる。ただ、アスカトル及びその配下の蜘蛛の糸は一味も二味も違う。
普通の人間じゃまず切れないし解けない。つまり一度捕まったら終わりという訳だ。
しかも、それを同時多発的に、行われるともう防ぎようがない。
別に子蜘蛛は姿を消しているとかではないが、小さく見えづらい。気づけば体をぐるぐる巻きにでもされたんだろうな。
そうして人間たちが全員捕まった後、ハーゲンが暴風でも発生させて、建物を倒壊させたんだろうな。
命は奪わない代わりに、行動も建物も何もかも奪うという鬼畜の所業。今も、建物の下敷きになっているということを考えると、一刻も早く救出してあげたい気分になる。まあ、やらないけど。
あ、そういえばアシュラとペレは何してたんだ? ハーゲンとアスカトルが何をしたのかの考察に夢中になっちゃってた。あれからずっと穴掘ってるのか??
ちらっと、第三の街を見ると、そこに穴はなく、むしろ小さな山のようなものが出来上がっていた。穴が消えて山ができるとは、これ一体? と思った時だった。
ッドーーーーン!!!
噴火した。
普通に眼下で噴火した。人類で噴火を真上から見たことある人ってこの世に存在するんだろうか。溢れ出てきたマグマが一瞬にして街を吞み込んでいく。
ってか、あいつら第三の街を陥とすために、火山作ってたのかよ。
「えぇ...」
やっぱり、俺の従魔たちヤバいかも。
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三連休幸せ♡
頑張って書き溜めするんだー頑張るぞー応援してねー!
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