第1240話 夜明け、或は黄昏

「第一の街はゼインとデト、第二の街はスカルとボーンとゾム、第三の街はアシュラとペレ、第四の街はアスカトルとハーゲンで、王都はアイスと俺で行く。海馬は...まあ、魔王城を守っておいてくれ。それも重要な役割だからな」


 遂にこの時が来てしまった。もう人類に一切の希望を持たせずに全ての命を刈り取る。ただそれだけだ。


「メガネ君、魔物プレイヤーたちは街以外のフィールドに、死教の信者たちは王都に集合させてくれ。そして好きなように虐殺していいと伝えてくれ」


「承知いたしました。しかし、NPCの件はよろしいのでしょうか? 気にされていましたよね?」


「ん、あぁ、その問題は解決した。だから皆には好きにやってもらっていい。そもそも俺自身の問題だったからな」


「かしこまりました。では、魔物プレイヤーたちには街の外で活動しているプレイヤーを、信者の方々には王都に集合してもらい、都に混乱を齎すようお伝えしておきます」


「あぁ、助かるよ」


 フンコロガシの奴らは...まあ、穴でも掘らせておけばいいだろう。街を行き来する際の地下通路のようなものがあれば便利だろう。多分。


「よしじゃあ、お前ら行くぞ。生きとし生ける者を全て殺せ。一切の躊躇も無く、な」


 そういって俺らは解散した。


 おっと、最後の準備を忘れるとこだった。これをしておかないと台無しになっちゃうからな。


 *


 それぞれ配置が完了した俺たちは合図と同時に襲撃を開始する。後、2,3分だからちょっとアイスと戯れながら待つことにしよう。


 そうだ、折角だから何故あの従魔たちの組み合わせにしたのかについて振り返ろう。


 まあ、ぶっちゃけると適当、の一言に尽きるんだが、あまり見たことが無さそうな組み合わせで、なおかつ相性が良さそうな組み合わせにしたつもりだ。


 従魔たちも日々進化しており、デトなんかは可燃性の高い毒を扱えるようになっているらしい。ゼインの炎と合わせて地獄絵図にしてくれることだろう。


 でも、まあ後は良い組み合わせ無さそうだな。まあ、そういうペアこそ、思いもよらない化学反応が起きたりするもんだろ。それに最悪各々で頑張ってくれればいいや。


 因みに、俺とアイスの組み合わせなのは、単に俺がアイスに癒されたかったからだ。就活も卒論も何も上手くいってないんだから、これくらいのことをしてもいいだろう? あー現実世界にもアイス含め従魔たちがいてくれたらなー。


「わぁ! そのワンちゃんとっても可愛いですね!」


 俺がアイスと戯れていると、通りがかった女性プレイヤーから声を掛けられた。やはり、アイスの可愛さは全世界共通のようだ。


「あのー、私ワンちゃんとっても大好きなんです! ちょっとだけでもナデナデさせてもらってもいいですか?」


 そう言って俺の返答を待つことも無く、その女性が手を伸ばした瞬間、


 ぴゅるるるるるー、ッドーーーン!


 大きな、大きな花火が上がった。真ん丸でとても綺麗だ。菊だっけか、牡丹だっけか、確か名前がついてたはずだ。


 アイスを触ろうとした女性プレイヤーも流石にびっくりしたのか、花火の方に意識が完全にもっていかれてしまっている。


「すみません、じゃあ死んでください」


「え?」


 ぴゅるるるるるー、ッドーーーン!


 女性の最期の顔は、一発目が聞こえなかった時用の、予備の花火のせいでわからなかった。ま、すぐどっかでリスポーンしてるだろ。


 よし、じゃあアイス、いくぞ~、夏祭りの始まりだ。









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お久しぶりです。お待たせしすぎてごめんなさい。でも帰ってこれて良かったです。

皆様は夏祭りはもう行かれましたか?私はまだいけていないので、お祭り騒ぎをしてくれると嬉しいな♪


これからも頑張るのでよろしくお願いします!(毎日投稿するとは言ってない

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