第1238話 怖い笑顔
「なるほどー、俺がいない間にそんな事件があったのか……」
俺は今メガネくんから、何故この地下城が築かれたのか、という経緯を聞いた。何でも、魔王軍のプレイヤーが牢獄にぶち込まれるということが何回も起こったようだ。しかもかなり多くのプレイヤーが。
どうやってやったのかも気になるが、そもそもそんなことをされて何もしないのは魔王軍が舐められてしまう。ただ舐められる分にはいいが、今いるプレイヤーが離れる自体になるのは避けたいからな。つまり、反撃を人類サイドに加えなければならないのだ。
その拠点となるのがここ、という訳だな。
まさか敵もぶち込んだ先が拠点になっているとは思いもしないだろうな。
「そういえば、この地下城はどうやって作ったんだ? 流石にメガネくん一人で作ったわけじゃないよな?」
「えーっと、フンコロガシというクランの方々に協力してもらいました。しかし陛下、一つ質問があるのですが、彼らは一体何者なのでしょうか? そして、何故魔王軍に入る運びとなったのでしょうか?」
「え、あー」
そこから今度は俺がフンコロガシについて説明する番となった。
❇︎
「なるほどー! フンコロガシのメンバーは陛下に憧れてクランを結成した、という訳ですね! しかし、陛下自身がプレイヤーと言っていないから、いや逆ですね。プレイヤーである陛下が魔王と言っていないことによって少し齟齬が生まれたんですね!」
と、メガネくんは持ち前の高い理解能力で1を説明しただけで10を理解してしまった。流石だ。
「ですが、これからどうしましょう? すぐさま人類に攻撃を仕掛けますか? それとももう少し準備してからにしますか?」
「そうだなー」
個人的には、卒論を進めなければならないからぶっちゃけ戦いたくない、が本音なんだけど、流石にこの状況で何もしないはあり得ない。俺が不在の間に頑張ってくれたメガネくんの為にも人肌は脱がないといけない。
となると……
「よし、まずは作戦会議だ。会議室ってできてるか? 後、色々やっておきたいことがあるから、できれば俺の自室もあると嬉しいんだが」
「かしこまりました。陛下の自室はもう既に最下層にご用意がありますので、会議室は今すぐ用意しますね」
おいおい、なんで会議室がなくて俺の自室があるんだよ。まあ、いいかそれだけメガネくんが俺のことを大切にしてくれているってことだもんな。ありがたく受け取って卒論をする時間にしよう。
「おっけ、じゃあできたら教えてくれ。俺はちょっと集中するからそれ以外では声はかけないでくれ」
「はい、では」
俺は自室に案内され、一人の時間を確保することができた。よし、これで卒論に手をつけられる。ただ、それと同時に人類への復讐、というか懲らしめ計画も考えないといけないな。さて、両者ともどうしたもんかなー。
コンコン
「はい」
出来るまでは呼ぶなって言ったのにどうしたんだろうか、よっぽどの緊急事態か?
「陛下、会議室の準備ができました。エレベーター等はまだ準備できていませんが、簡単な机や椅子は用意しております。また、会議には誰を出席させますか? とりあえず主要なプレイヤー達はもう集めております」
は、ちょっと待て速すぎんだろ。どうなってんだ?
メガネくんの顔をチラリと見ると、そこには満面の笑みが浮かべてあった。え、今までサボってた分仕事をさせます、ってこと!? こんなに怖い笑顔は始めてた。
「あ、あぁ。それで大丈夫だ」
「では、会議を始めますね」
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