第1237話 一体いつから年内最後の投稿だと錯覚していた?


 やばいやばいやばい、マジでヤバい。


 卒論が全く終わらない。それに就活ももう今年も終わるってのにまだ決まってない、ヤバいヤバいヤバい。焦燥感だけ募って一ミリも前進してない。


 ってか、一日二十四時間ってのが短すぎるんじゃないか? 俺だけマジで一日五十時間とかにしてくれないかな? いや、そんなに贅沢は言わないからせめて三十六時間くらいにはして欲しい。


「……はぁ」


 こんな泣き言を言ったって仕方ないのは百も承知だ。でもそんなことを言わないとやってられないのも事実だ。


 あー、気分転換にゲームしたいよー。でもゲームしたら一瞬で時間が溶けてログアウトした瞬間に虚無状態になっちゃうんだよな。そんなことは試さなくても分かりきっている。集中力ってどうやったら身につくのだろうか。そもそも俺にはそんな力がないように思える。


 現実世界もゲームみたいにスキルを取得できればいいのになー。そしたらゾーンに入って一発なのに。


 ……ん、ちょっと待てよ。ってことはスキルを取れるゲームの中で卒論を進めればいいんじゃないか? そしたら集中力も高まるし、スキルで思考速度を高められるから実質五十時間も夢じゃない。


 よし、そうと決まれば早速ログインだ。ってか、今までそれをしてなかったのが悔やまれるな。無駄にした時間は計り知れないぞ?


 ❇︎


 久しぶりにログインした俺は、重大な事実を見落としていた。


 それは、魔王城が無くなってしまっている、ということだ。つまり、魔王の俺が落ち着いて作業が出来る場所がないということだ。


 あー、萎えた。一気に萎えてしまった。卒論するやる気もゼロだ。


 ってか、魔王軍の皆はどこにいるのだろうか。俺がいない間に散り散りになって解散してしまったのだろうか?


 そうだ、メガネくんに繋げてみよう。メガネくんならば何か知っているだろうし、逆にメガネくんに繋がらなかったら魔王軍はいよいよヤバい。


 確かトパーズと同期させてたからもしログインしてたらすぐ繋がるはずだ。


「トパーズ、メガネくんに繋いでくれ」


『かしこまりました。・・・へ、陛下? 陛下ですか!?』


 メガネくんに繋がるとどうやら向こうは困惑と興奮が入り混じった声で返答してきた。どうしたのだろうか、何かあったのだろうか。でも、一先ずメガネくんが無事でよかった。彼さえいれば魔王軍は大丈夫だろう。


『へ、陛下……うぅ、お戻りになられて本当に良かったです。もう二度と戻られないのかと……』


 そうか、俺が何も言わずにしばらくログインしてなかったから心配してくれてたんだな。それは申し訳ないことをした。俺も俺で追い込まれてたとは言え、一言くらい掛けるべきだった。


「すまない、色々あってな」


『い、いえ! 陛下が謝るようなことは一切ありません! 好きな時にゲームをするのが一番ですからね! ただ、こちらが勝手に心配していただけですので、、』


 やっぱり心配してくれてたんだな。これからはちゃんと報告しないとな。少なくともメガネくんには。


『でも陛下、これからはログインするということでしょうか?』


「あ、いや、うーん。ログインできたらするつもりではあるんだが……」


 ログインはするけどゲームの中で卒論をする、なんて言えない。しかも、自室すらないからそれすらもできるか怪しい。


『あ、そうだ。メガネくん、何処か落ち着ける場所を知らないか? 少し作業をする必要があって』


『お、そういうことなら打ってつけの場所がありますよ! そちらに向かいますね』


 そう言われて案内された場所はなんと地下だった。そして、そこには、驚愕の光景が広がっていた。


「な、なんだこれは!」


「ふふっ、これが私たち魔王軍の第二拠点、牢隠の地下城です!!」









━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

思考を加速させれば永遠に来年は来ないっ!!!!(ヒントは前の話に後書きがなかったこと


というわけで、一年間本当にありがとうございました!

皆さんが読んでくれるおかげでなんとかここまで書き続けることができております。ここまで読んでくださった方には最大限の感謝を。


来年の目標はこの作品を描き終える、です! 

寂しくはなると思いますが、前に進むためには必要だとおもうので応援してくださると嬉しいです!


みんな良いお年を迎えに行くぞーーーーーー!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る