第1225話 圧倒的な信仰心(別視点)

メガネくん視点です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 僕は急に地下の教会へと呼び出された。


 陛下は今みたいに急に、何度も呼び出すこともあれば、全く音沙汰がない時もあって、非常に生態が読みづらい。まあ、だからこそ面白いんだけど。


 だけど、呼び出された先に、陛下がいないということは初めてだった。いつも必ず部屋にいて、的確な指示や、素晴らしい提案をしてくださるというのに。


 地下の教会ということもあり、なんだか少し怖い雰囲気だ。


「ん、これは?」


 部屋に入ると一枚の紙切れが落ちていた。ゲームの世界では部屋が散らかるということは決してない。それと同時に、意味のないアイテムも存在しない。であるから、これが今回の陛下からの指示、あるいは提案なのだろう、考えが至った。


 そこに書いてあった言葉は、


「祈りを捧げよ」


 という指示だけだった。


 ん、これはどういうことだろうか? 余りにも指示が端的すぎるな。でも、流石に陛下からの指示で間違い無いだろう。事実、ここに来たのは陛下に呼ばれたからだし。ってことは、この祈りを捧げる対象も陛下に対して、でいいのだろうか?


 もし、他の存在に祈れ、と陛下から言われても誰に何を祈れば良いのか分からない。


 このことから僕が今から祈るのは陛下で良さそうだ。


 うん、でも祈るのにルールとかマナーとかあるんだろうか? 流石に現実の学校ではそんなこと教わってないし、どうやれば良いか見当もつかない。なんとなく雰囲気でいいのかな? でも指示されている以上分からないので、できませんはダメだよな。気合いでやってみるか。


『陛下、あぁ陛下。貴方様はこの惨めで軟弱なる私をお救いくださいました。本当に感謝しております。この恩に切る為、私はいつまでもどこまでも貴方様にお仕え申しあげます。また、先の件では私の力不足により魔王城を失ってしまい、大変申し訳ありません。この度は……』


 はっ、もしかしてこの祈りは魔王城を守りきれなかった僕への罰? 償い? 


『本当に申し訳ございませんでした。これからはより一層自己鍛錬及び情報収集に励み、陛下のご威光を全世界に知らしめることができるよう尽力して参ります』


 ふぅー、すぅー、と一度深呼吸をする。


『私が敬愛する陛下を支える為に必要な要素は主に三つあると考えます。一つ目は圧倒的な強さです。この度で実感したのもありますが、それ以前からも、陛下のあまりの強さに対して私の余りにも弱すぎます。もちろん、無限にも等しい強さと比べること自体烏滸がましいこととは思いますが、それでも私の力量の絶対値を増やさなければなりません。二つ目は情報収集能力です。プレイヤーの人口が増えてきて、以前に比べて更に多種多様なプレイスタイルが確立されている昨今、従来の方法での情報収集では限界があると感じます。また新たなシステムを構築し、陛下が望む情報を瞬時に提供できるようになるだけでなく、陛下が必要とされていない情報ですら網羅できるようする必要があります。三つ目は統率力です。魔王軍もかなりの規模になり、陛下お一人で全てを統率することは現実的に厳しくなっているように感じます。だからこそ、私がその中間位置でまとめる必要があります。また、同様に私一人でも限界があるため、各組織の代表を立て、迅速な情報の吸い上げと、指示の伝達を実現する必要があります。次に、これらの要素の実現方法についてですが、それぞれ・・・・』


 私が祈りに夢中になっていると、突如として白い光に身を包まれた。








━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

皆さんが頑張る時の原動力はなんですか?

また、モチベーション管理する時にしてることなどありましたら教えてください!

最近やりたいことやらなきゃいけないことが増え過ぎてパンクしそう、いやしたいです()

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る