第1222話 マジックオブイレイサー
現世に帰ってきた俺が見た光景は戦禍の跡が広がる世界だった。ということは俺は今「何もない」を見ているということか。これって哲学?
……よし、冗談は置いといて。俺の魔王城はどこ行った?
あんなにデカく聳え立っていた魔王城がこんな綺麗サッパリ消しゴムで消したかのように消えるものなのか?
『あーあーもしもしメガネくん? これって一体どういう状況ですかー?』
『へ、陛下! 良かった、ご無事でしたか!』
『あ、ありがとう。って、そんなことよりなんで魔王城が無いんだ?』
『はい。それは……』
俺はメガネくんから俺がユグドラシルにいた間に何が起こったのか、について説明してもらった。うん、メガネくんは非常に説明が上手だ。
じゃなくて、
「プレイヤーが銃火器を使ったってのは本当なんだな?」
『はい。私が確認した限りでは、ピストルやマシンガンなどの基本的な銃から、ロケットランチャーまでプレイヤーの手に行き渡っているようです』
なるほど、ロケランまで出されちゃ魔王城なんて耐える道理も無いよな。まさかそんな事態になっていたとは思っても見なかった。やはり一度帰るべきだった。
「分かった。じゃあ一旦どこかで落ち合おう。どこにしよう?」
『そうですね、目立つ訳には行きませんから……あ、そういえば教会に地下があったはずです。あそこは入り口が複雑で、上の教会が倒壊した今、そこまで気づくプレイヤーは流石にいないはずです!」
「了解した。ん、そういえば俺たちはどうやって入るんだ?」
『……申し訳ないです、私も分かりません。では一旦、王都のバーにでも集まりましょう。魔王軍の主要プレイヤーで一度そこを利用してるので恐らく問題は無いと思います』
初めからそこで良かったじゃねーかよ。メガネくんなりに変な気を遣ってくれたのだろうか? 別に気にしなくていいのに。
「あ、で何て名前なんだ?」
❇︎
バーの名前は「影の盟友」というらしい。なんかいかにもすぎじゃないか? と思ったが、メガネくん曰く木を隠すなら森の中らしい。
「あ、へいっ……こちらです!」
先についていたメガネくんが俺を陛下と呼ぼうとして、それだと目立つことに気がつき途中で止めたために、なんだか陽気な変な人になってる。
因みに俺は名前聞いたはいいものの場所が分からなくてしっかり十五分くらい迷った。王都は色々とごちゃごちゃし過ぎてて分かりづらいのだ。
ま、始まりの街でも余裕で迷えるけどな。
「それでこれからどうしようか?」
美味しそうな料理やお酒(もちろんノンアルコール)を頼んだ後俺はメガネくんにそう聞いた。
「そうですね。先ずは、私と陛下の連絡をよりスムーズに確実に行えるようにするべきだと思います。陛下が現在何処を攻略されているのかは分かりませんが、従来の方法ではどうやら連絡が上手く繋がらないようなのです」
「確かにそれは大事だな。俺のとこに来た連絡もノイズ混じりというか殆どノイズだったからな」
従来の連絡方法とは、確かアスカトルの配下の子蜘蛛を介して念話で会話するというものだった気がする。
確かにそれではユグドラシルを超えて連絡を取ることは難しそうだ。
でもだからと言ってこれより快適で確実な連絡方法が思いつかない。
あ、そうだ。こういう時に頼るべき存在がいるじゃないか。最近使ってなかったな完全に忘れてた。
『なあ、トパーズなんか良い方法ないか?』
『……完全に忘れられていたことには触れずに、良い方法を提案します』
やべ、拗ねられてる。
『ごめんってーこれからは絶対に忘れないから!』
『期待はしないでおきます。貴方とメガネ様の連絡方法としてオススメの方法がございます。それは、私をメガネ様と同期させる、というものです』
ど、同期??
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今日更新できたの本当に偉い!
褒めて下さいっ!
また、皆さんが好きな地名、かっこいい地名教えて下さい!(唐突)
私は…どこだろ?
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