第1219話 重要な決断

メガネくん視点です。

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 ッドーン、ッドーン!


 なんでだ? なんで陛下と繋がらないんだ? 今のプレイ状態は間違いなくオンラインになっているのに……


 今、僕がいるこの魔王城は未曾有の危機に晒されている。


 どうやら、プレイヤーたちが銃火器の作成が可能になっているようだ。先ほどからの爆音はロケットランチャーだ。


 しかも、恐ろしいことに銃火器であるから誰でも一定の水準以上の攻撃力を備えることが可能になっている。しかも、物資さえあれば半永久的に作成可能であるため、侵攻がとどまることを知らない。


 挙げ句の果てには、魔王城の近くにレイド拠点を構えられ、もうやりたい放題だ。しかも、恐らく武器製作者はそこにはいない。どこか遠く安全な地で武器を作り、拠点にまで運び、雑兵たちに持たせているのだ。数の暴力もここまでくれば戦争だ。


 陛下の意見をお聞きしたいけど、聞くことができないなら、自分で判断するしかない。


 まずは一つずつ選択肢を考えてみよう。


 一つ目は応戦だ。こちらには陛下の従魔や僕の支配下にある妖たち、その他信者やモンスターのプレイヤーらが控えている。だが、敵の戦力が分からない以上、勝つことができればいいが、負ければかなりの損害を被る。正直、敵が未知数すぎるからこの手はあまり取りたく無い。


 二つ目は、籠城。これは陛下が戻ってくることを信じてただ耐えて時間を稼ぐのだ。陛下がいらっしゃれば一人で戦況を変えられるし、何より皆を導く力がある。この選択肢は陛下次第だが、かなり有力だろう。


 三つ目は遁走、逃げの一手だ。この城を囮に、必要最低限を確保し逃げる。敵はもう既に拠点を作ってしまっていることから、この城に対しての攻撃力は強いが、それ以降の機動力は弱まるはずだ。それほど財を溜め込んでいる、というわけではないから、陛下が戻ってこないと判断するなら、この一手はかなりありだ。


 さて、どうするべきか。考えろ、考えろ、考えろ。


 未だにロケランが着弾する音が聞こえる。タタタタタンと銃声の音すら聞こえる。ってことは、もう侵入を許してしまってるのか。よし、決めた。


「妖たちは天狐を中心に結界及び幻術を張り直してください! それで時間を稼ぎます! 従魔さんたちは入ってきた奴らを蹴散らしてください! そして、殲滅次第移動しますので、今城の中にいる方々はいつでも出発できるよう準備をお願いします!」


 僕は弱い、この場を制圧する力もなければ、大きな決断をする胆力もない。だから逃げるしか無い。


 逃げることはプライドを考慮しなければ良い手だ。昔の偉人たちもそう言ってる。


 勝つことは陛下に任せれば良い。僕の役目は負けないことだ。


「ペレさんご相談があります。かくかくしかじか……」


 よし、これで準備完了だ。結界も幻術ももう解除してしまって良い。大型のプレイヤーは地下通路から避難し、もう城に残っているのは僕を含め数人だけだ。


 また一からやり直せば良い。僕たちならそれが可能なはずだ。


 というわけで、人類の皆さん、またどこかで。


 ッドーーーーーーーン!!!!


 ロケットランチャーとは比べ物にならないほどの大爆音を響かせ、魔王城は倒壊した。









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お久しぶりです♪

少し遠出をしておりましたが、無事帰って参りました。

またよろしくおねがいしますm(_ _)m

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