第1215話 『 』
爆発後の世界はなんというか、無だった。
闇に包まれている訳ではなく、かと言って明るくもない、灰色のような世界。そこに俺は一人取り残されていた。いや、一人じゃない……?
「お、ナップ! ……ん?」
見知った気配がした方に向き直ると、そこにはナップではない別人がそこにいた。雰囲気はナップと似てるのだが、見た目が全然違う。そもそも目の前の奴は機械ですらない、かなり幼い見た目をしている。
「やあ、と言ってもこの姿の僕と会うのは初めてか。僕としてはずっと君を見てきたんだけどね」
状況が一切飲み込めず唖然としていると、向こうのほうから説明してくれた。
「改めまして自己紹介を、僕はこの蒸気の世界の創造主にして、神だ。とは言っても誰かさんが世界ごと吹き飛ばしてしまったようだけどね」
と、目の前の少年? はそう言った。
「世界ごと吹き飛ばす?」
「うん、目の前の敵をどうにかしようとして、キューブから必要以上のエネルギーを出力してしまったんだろうね。あり得ないほどの爆発が起きて、それがあの原石を破壊してしまい、世界が崩壊したんだ」
「なるほど……」
口では分かった風に言っているが、頭では全然理解が追いついていない。え、この世界消えちゃったの?
「でもおかしいんだよな。いくらキューブが沢山あってエネルギーが豊富にあったとしても、それを引き出すことはできないと思うんだよなー。人間が自分の力を100%引き出せてないみたいに、エネルギーがどれだけあってもそれを使えるかどうかは別問題だと思うだけどなー」
そうか、俺がキューブからエネルギーを取り出し過ぎたってことなのか。ん、普通はエネルギーがあっても使えきれないのか?
「もしかしたらそう言った沢山あるエネルギーから少しでも多く取り出す訓練でもしてるのかな? でもそんな状況ってあまりないし、何訓練してるのって話だよなー」
あ、もしかしたら俺、日頃から無限魔力使ってるから、そういう魔力やエネルギー量を調節するバルブ機能がバグっちゃってるのか?
さっきもかなりテンパってたから、気持ち多め、のエネルギーがかなり大きくなって、しかもそれが良くわからない謎のエネルギーだったもんだから世界を崩壊させちゃったのか?
「……神!?」
「え、今更? というか君も神様なんだよね? 最近なった新参者みたいだけど。ってか、ずっと側にいたじゃないか、ナップとして」
おいおいマジかよ。
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私に足りなかったのは、どうやら早寝早起きだったようです。
めっちゃ調子が良いです。
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