第1214話 完了とまさかの終了


『左、右、突き当たりを右です! いや、左じゃなくて!』


 ただいま俺は、カーチェイスさながらの逃亡劇を繰り広げていた。ナビはナップがしてくれているのだが、とは言っても毎回毎回従えるわけではない。何故なら、その先に敵が待ち構えていることがあるからだ。


 先ほどの突き当たりも右には機兵がいた。


『はぁ、これでまた遠回りになりますね』


「いいからお前は兎に角現在地からの最短経路を探してくれ。俺は俺で逃げる方に全集中する」


『分かっていますよ。ただ、毎回こうやって進路変えられるとこちらとしてもナビが難しいんですよ。ここのマップを完全に把握している訳ではないですし』


 よしここは一旦無視しよう。俺も逃げるのに割と精一杯だ。ってか、さっきから敵の追っ手が、スキル使っている俺が少しでも気を抜くと余裕で捕まえられそうなくらい速いのだ。どういう難易度してるのこれ、攻略させる気ないんですかね?


『右、右、右!』


 いや三回曲がったらそれはもう現在地だろって思ったが、


「お、撒いた?」


 俺の視界から追っ手が消えた。なるほど、高速に曲がりまくる事でまずは視認させないってことだよな? 流石だ。ん、でもここって大事な場所なんだよな? 防犯カメラとか置いてないんかな?


 そう思った矢先、天井に備え付けられた眼球レンズと目が合った。


「え?」


 ドドドドドドドド、と地鳴りのような音が聞こえる。かなりの重量が大量に進軍しているような、そんな音だ。しかも、俺を中心にほぼ全方位から聞こえる。間違いなく機兵、しかも重装備の奴らが大挙してきてるのだろう。これはヤバいな。


 だが、さっきからナップの声がしない。流石にこの異常事態に何も言わないということは考えられない。つまり、何か策があるのか?


『遅くなりました! が、この施設のマップを入手することができました! そして大量に保管されている場所も確認できました、ナビを開始します!』


 キュピン! という何かダウンロードが完了したような音と共にナップがそう告げた。時は満ちたようだ。だが、敵ももう目と鼻の先、というか、


「あ、あ、あ、」


 三方向から一気に囲まれた。進路は一つしかない。とりあえず全力ダッシュ。


「【韋駄天走】ナップ、こっちでいいのか?」


『はい! そのまま2秒後に左折し、1.5秒後に右折して下さい! そして、目の前の壁をぶち壊して下さい!』


 バゴンッ!


 指示に従い壁をぶち破った先に合ったのは、大量のカード型、そしてキューブ型のエネルギーだった。


 俺は考えるよりも先にキューブを鷲掴みにし、魔法を放った。もう敵はすぐ後ろにまで迫っている。


「【殲爆魔法、ディザスターボム】」


 その直後、敵が、自分が、世界が、崩壊した。


それをどこか俯瞰で見てた俺はただただぼーっと眺めることしかできなかった。









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ゲームがしたいっ!でもパソコンがないっ!

というわけで誰かデスクトップのパソコン譲ってくれません?()

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