第1213話 セロリ
「なあ、そのキューブはどこで手に入れられるんだ?」
『さあ、どこでしょうか?』
「え?」
いきなりクイズ形式? と思ったがそうでは無かったようだ。
『一般兵に配られるのは先ほどお見せしたカード型のものまでなので、キューブ型は見たことすらないんですよね』
「は、ってことは存在するかどうかも怪しいんじゃ無いのか?」
『いえ、流石に存在するとは思いますよ? 大きな機械などを動かすときにキューブ型を使用する、と上官が言っておりましたし、その上官がわざわざ嘘を吐くとは思えません』
その上官が無自覚で嘘をついている、正確には偽の情報を掴まされているという可能性もあるんだろうが、そこまで考え出したらキリがないからな。ここはナップを信じる他はない。
「分かった。でも、入手するアテがあるから俺に提案したんだろう?」
『はい。そもそもカード型にしろキューブ型にしろバッジ型にしろ、それらは原石の一部を複製することによって製造しています。そして原石は今目の前に存在します。つまりは、』
「この近くにある、ってことか」
『ちょっと、結論部分だけ持っていかないでくださいよ! でもまあ、そういうことです』
すまんちょっとやってみたかったんだ、これ。
にしてもバッジ型なんてものもあるんだな。恐らくカード型よりも容量が小さいものなんだろうが、もしかしたらこの世界の住民が皆つけているのかもしれない。もし沢山ありそうなら、一つくらい記念に持って帰ろうかな?
「よし、じゃあ早速探索と洒落込みますか!」
『ちょっと待って下さい! ここはこの世界の最重要施設です。当然、警備ロボットも沢山配置されております。勝手に行動すれば』
ウーウー
「あ、やべ」
隣の部屋に進もうと、扉を開けようとした所でナップがそんなことを言うから、俺はノールックでドアを開けてしまった。そして、その先には超高級一眼レフくらいのレンズを携えたロボットがいた。そして、俺は今バッチリ目が合ってしまった。
『はぁ……』
おいおい、なんでお前がため息つくんだよ、俺もため息吐きたいよー。
「おい、そのキューブはどこにあるんだ? この先にあるのか?」
『分かりませんよ、だからこそ慎重に見つからないように行動すべきだったのに』
だから言うのが遅いんだって! でも背に腹は変えられない、こうなった以上どうにかするしかない。
「分かった。じゃあ俺は全力で逃げに徹するから、お前は周りを観察し俺を案内してくれ。間違えてもいいから兎に角止まることなく俺に指示を出してくれ、いいな?」
『はい、分かりました。そちらこそ捕まらないでくださいよ? 私の体なんですから』
「あぁ、任せろ」
とは言ったものの、屋内で時間歩行は流石にオーバースペックというか使いづらいだろうな。そうだ、久しぶりに懐かしいスキルでも使ってみるか。
「【仙術、スキル生成】……【韋駄天走】!」
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皆さんが最近、再評価したことを教えてください!
私は音声アシスタント機能です!今まではほとんど使ったことがなかったのですが、目が悪いのでメガネがかけれない時や、別のことで手が塞がってる時、スマホの所在が分からない時などかなり使う場面があって最近重宝してます!
ただ、ロックしてても反応するようにしてるので、どこかで誤爆しないか不安です()
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