第1211話 戦闘、そして侵入


 俺は物陰から門番を含め施設全体を観察していた。


 最初は、現実世界と同じように発電所という風に考えていたのだが、冷静になって考えればここは蒸気の世界で電気はないはずだ。だから発電所ではない。それに、絶えず尋常じゃない量の蒸気が空に放出されていた。


 その余りの量に最初は気づかなかったほどだ。工業地帯なんかとは比べ物にならない。


 そして、問題の門番。門の両サイドに一体ずつ配置されており、外面はちょっと太ったゴーレム、重騎兵といった感じだ。先ほどまで戦っていた人型ではなく、圧倒的質量を抱えており、ぱっと見でおれの攻撃が通らなさそうだということが伺える。


 エネルギーさえあればコイツらなんて一撃なのになー。エネルギーをゲットしてからコイツらと戦わせて欲しいもんだ。


「ん、ちょっと待てよ倒せないなら戦わずに入ればいいんじゃないか?」


『いやいや、倒せないと入れないからこうして困ってるんでしょう?』


「んーそれもそうなんだが、どうやって倒すか考えるより、どうやって中に侵入するか、を考えた方が楽だと思ってな」


『確かに? いやいやいや、でもそんなに上手く行かないですよ、それこそ何の為の門番なんですか』


「いや、門番は門から入ってくる奴を止める為の存在だろう? だったらそれ以外から入ればいいだけだ」


『はい?』


「【時間歩行】」


 まずは手始めにこれで宙に浮く。そして、蒸気の中にダイブする。うぉっ、雲の中に入ったことはないけど、雲より雲感が強い気がする。


『ゲホッゲホッ、何ですかいきなり! ってか、私機械だから咳き込む必要ないですね』


 何を言ってるんだコイツは。本当に人間ぽくなってる気がする。


『でもどうするんですか? まさかこのまま上から入るつもりですか? 直ぐにバレて捕まりますよ?』


「まさか、ここからが真骨頂だ」


 対機械の攻撃スキルは相手に効かないかもしれないが、時間歩行などの自己完結できるスキルは別に相手の影響を受けない。つまりいつも通りってわけだ。


「【級水支配】」


 これは水を操作するスキルだ。元のスキルが水操作だったことからもどんなスキルかは明瞭だろう。そして、蒸気は水だ。つまりこれを纏うことでで出てくる蒸気に紛れて中に侵入することができるというわけだ。


 ふふっ、俺ってもしかして天才?


『ちょ、ちょっと待って下さい正気ですか!? このまま突っ込んだら高温で機体が溶けちゃいますって!』


「安心しろ、蒸気の内側に冷たい水を張り続ければ俺たちが蒸発することはない」


『どんな生き方をすればこんな侵入方法が思い浮かぶんですかね? 全く機械でもこんな無茶なことしないに』


「流石人間ってことで、いいよね?」


『違います』


 そんなやりとりをしながら俺らは内部へと侵入した。そこにはガンガンに燃やされる燃料と超高速回転するタービン、そして謎の光る鉱石があった。


『わぁ、本当に入れちゃいましたよ……』












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今日は忙しいと思ってたけどなんか逝けました。明日は流石に期待しないでね?


そして今回更新したのはみんなに質問があったからだ!

Androidを使ってる諸君!よければなんの機種をつかってるか教えてください!

そしてiPhoneを使っている同士!最近高くね?

(訳:Androidに興味を持ち始めたので何か教えて

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