第1206話 眠いスキル
機械の核、それは脳にあった。いや、正確には動力源は人間でいう心臓の位置に、データやメモリなどを保管し、判断を下す部位は人間で言う脳の位置にあった。人間とおんなじなんだな。
ただ、ロボットだったら位置を変えたりすることもできるんじゃないのか? そもそも二足歩行の人間の形に拘らなければかなり選択肢は増えそうだよな。それでもここの住人たちが人間のフォルムをしているのには何か理由があるのだろうか?
「あくまでそれが一番合理的だからその配置になっているのですよ」
「うわっ、びっくりした! 生き返るのなら生き返るってちゃんと言えよな」
「いやいや、私今から生き返りますよー蘇生しますよーって言って実際に蘇生する奴なんて見たことありますか? こういうのは突然生き返って再開するからいいんでしょ?」
「いや、まあそうだけど。でも無事生き返って良かったな」
「ん? というかそもそも私は死んでいませんよ?」
「へ? でもほらほぼ死にかけだっただろ」
「いえ、私たちにはバックアップ機能がついていますから半永久的に死ぬことはありませんよ? ソフトウェアをインストールさえすれば基本的にはどの機体も操作できますし」
「…………そうなの? それなら先言えよ。ってか、それって大丈夫なのか? アイデンティティとかグチャグチャになったりしないのか?」
「自己同一性ですか? 私たちは完全にソフトウェアに依存しているのであり得ませんね」
へー、やっぱりいくら人間っぽくてもコイツらは機械なんだな。だからと言って蔑ろにしていいわけではないのだろうが、根本的に俺たちとは全くの別物だ。
「そんなことより、私も戦えますよなんて大見え切ってたくせにボコボコだったじゃねーかよ。あれはどう言う算段だったんだ?」
「ふむ、あれは私自身も少々予想外でした。かなり良い装備を揃えたと思っていたんですが……スキルレベルも高かったですし」
「ん、お前が選んだ装備にはどんなスキルが付いてたんだ?」
「えーっと、範囲化、スタミナ速攻回復、高級耳栓、耐震動、です! もちろん全て最大レベルとなっております!」
ナップはそう自信ありげにそう言った。
「え、範囲化って自分が使ったアイテムを仲間にも効果がでるようにするものか?」
「はい! 最大レベルなのでかなり離れていても効果がありますよ!」
「……戦闘中そんなに離れたことがあったか? そもそもお前は一度でもアイテムを使ったか?」
「……」
「これに関してはサポートスキルだからまだいいが、他のはそれですらないじゃないか。自分の戦闘がしやくなる快適系スキルだろ? 十分に強い奴が使うならまだしも、まだ弱い奴が快適系スキルを盛り込んでも快適に死ぬだけだぞ?」
「……」
はぁ、そりゃ負けるわけだな。
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