第1200話 ガッチャ
主人公が頭のネジを抜いて味方になったロボットの名前はナップです。よろしくお願いします。
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「違う、これも違う。違う、違う、これはー……違うか」
俺が今何をしているかというと、ただ只管にガチャを回してる。
いや、正確にはまだ生まれる? 前の機体から装備を入手しようとしているだけなんだが、それがどうも人間の才能のようなパラメーターの偏りがあるらしい。
例えば頭装備であればINTに補正がかかったり、逆にマイナス補正がかかったりするのだ。胸だとVIT、腕はSTRもしくはDEX、腰はLUKで足はAGIという具合だ。
だがこれはあくまで初歩的なな要素で、このガチャの真髄はその装備特有のスキルが付与されている、という点にある。そしてまあ、それが俺を現在進行形で地獄に送り続けているわけなんだが。
人間も足が速い人や手先が器用な人、逆にそうではない人みたいに色んなステータスがある。そして、その上で才能もバラバラだ。スポーツができる人、楽器が弾ける人、勉強が得意な人、中にはとてもニッチなものもあるかもしれない。
ただ、現実世界の才能の特徴は、良くも悪くも一回きりしかガチャを回せないということだ。
そこから先はいかようにも育成可能なんだろうが、初期値はだれにもいじれない。
でもそれが何度でも引き直し可能だったら? そりゃ最大倍率で最強スキルがついた理論値を引きたくなるってものだ。それが人間の欲望というものだ。例え、俺自身別に今更ステータスに少し補正がかかったくらい、誤差の範疇ですらないのだが、そんなことすら関係ない。ただただ俺は理論値が欲しいのだ。
ってかもし人間を作った神様がいるんなら、ガチャを一回しか引かせないようにしたのは正解だったんだろうな。それで色々悩む人も多いかもしれないが、もし生まれる前に自由に引き直せたとすると、多分誰も生まれてこない、みたいなことになりかねないからな。
事実、千回以上ガチャを回した結果、良さげな装備はまだ一つもでていない。これは本当に恐ろしい沼に足を踏み入れてしまったのかもしれない。
「なあ、ナップ。この【猛獣使い】ってスキルはレアか?」
「お言葉ですが……わざわざ装備にそのスキルをつけるくらいなら、自分で技能を身につけた方が良いかと」
「まあ、そうだよなー」
と、このやりとりをもう何度もしている。
ナップもこの場所に来て、こんなことをするのは初めてだが、この世界の住人としてなんとなくそのスキルがレアかどうかは分かるらしい。
まあ、確かに現実世界でもピアノマスターと、ペン回し達人だったらどっちを先天的な才能としてゲットしていかは、明白だろう。もちろん、その人の好みにはよると思うが。
「はあ、本当に出るのか? その激レアスキルとやらは」
「出ると信じる他はないですね。でも、今まで見てきた方の中で、天は二物以上を与えただろ、みたいな人いませんでした? だから出ることには出るんだと思いますよ」
いやまあ確かにいるんだろうけど、あまりにも現実味がなさすぎて実際に自分に起きる自分事としては捉えられないんだよなー。
「なあ、この【剣技:修御楽羅】ってどうだ?」
「…………聞いたことの無いスキルですが、多分激レアですね。しかもとんでもないくらいの」
だろうな。明らかに名前に気合いが入りすぎてるもん。
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お久しぶりです。
いつも読んでくださり、本当にありがとうございます!(≧▽≦)
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