第1194話 水蒸気ではありませんよ?


 一面真っ白な世界、という言葉をまさか雪景色以外と使うことがあるとは思わなかった。


 闇が広がってるわけじゃないのに、一寸先も見えないなんてことがある、ってことも初めて知った。


 さて、じゃあ早速さっき作った奇跡を使いますか! この奇跡はこの蒸気の神様の為に作った奇跡で……


「あれ? 使えない?」


 何でだ? また多様性の時みたく奇跡の使用を封じられてるのか? もしかして神様のバトルでは奇跡を封じることは常套手段だったりするのか?


 でもってことは向こうも奇跡を使ってるってことだよな? だったら俺も真似して……


「あれ?」


 また使えない。普通奇跡の使用を止めたとしてもそれは一瞬だ。まあ一瞬とは言ってもその間に神様たちは色んな攻撃やら何やらができるから致命的だが、それでも無限に続くわけではない。大なり小なり一定時間クールタイムはあるはずだ。


 ただ、この世界に来てからまだ一度も奇跡が使えるようになっていない。長い、あまりにも長すぎるし、クールタイムがありそうな気配もない。もしこのままだとずっと奇跡が使えないってことも全然ありそうだ。


「ふっ、困惑しているようだな。何故奇跡が使えないのか、と。貴様には一生その謎が解けることはない。せいぜいそのまま苦しんでいることだな」


 相変わらず真っ白な視界の中、突如としてどこからか声が聞こえた。


 恐らく蒸気の神の声なのだろうが、これは厄介なことになったな。奇跡も使えず、敵の姿も視認することができていない。敵が見えれば物理で殴ることも視野に入れられるのだが、それも封じられるとなると中々厳しい。


 試しに蒸気の中を歩いてみても、どこかに辿り着く様子はない。


 んー、ずっと奇跡が使えないとなると、敵の奇跡というよりはもっと何か別の条件を踏んでしまっているとか? それか本当は俺のすぐ近くに蒸気の神様はいて、俺に何か作用し続けてるとか?


 んー分からんな。せめてこの蒸気が晴れてくれたらいんだが……


「そうだ、ハーゲンー!」


 俺はハーゲンを呼び出し、頑張って煽いで貰った。すると、蒸気が晴れ、ほんの僅かな空間だけだが、正常な視界が戻ってきた。だが、ハーゲンが全力で煽いでいるのに、これだけしか蒸気を飛ばせないって、どんだけここは蒸気で満ちてんだよ。


 唯一増えた情報としては地面があるのだが、特段変わったものがあるわけでもなく、大して効果なしと思ったその時だった。


「あれ? 奇跡使える?」


 なんといつの間にか奇跡が復活していたのだ。ただ、


『ご主人様疲れました……』


 とハーゲンが翼をはためかせるのをやめた途端、奇跡も使えなくなってしまった。


『ごめんなハーゲン、でも、これで重大なヒントを得ることができたぞ。ありがとう』


 なるほどやはり鍵は蒸気みたいだな。原因が分かったのならば後は対策をするだけだ。震えて待ってろ、隠居神様め!









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本当にゲームしすぎた。

気づいたら時間が溶けてる…

でも最初のエンディング見れたからよし。

皆さんの時間泥棒を教えてくださいな♪


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