第1188話 棚から牡丹餅
案内人の暴露によって、俺は七十歳も年上の神様を配下に加えてしまったのだが、それによって思わぬ幸福も舞い降りてきた。
それは、信仰ポイントの大幅な獲得だ。
神を配下に加えるということは、そのままその信者までをも取り込むことになるらしく、寂しかった俺の財布が一気に潤い始めた。しかも、これは単発の収入源ではなく、世界丸ごと収入源であるためかなり太く安定している。
やるじゃないかネメス。君を迎え入れて正解だったようだ。七十年も年上だけど。
というか、案内人の言い方的に、神様にはもっと年上がおり、0歳も70歳も変わらないということなのかもしれない。それこそ、何百年、何千年と生きていれば0と70なんて年少と年長くらいの差しかないのかもしれない。
「では、次の世界をご案内いたします」
俺がそんなことを考えていると、唐突に案内人がそう言った。
「え、もう次行くのか?」
「ん、逆にまだ行かれないのでしょうか? 全ての神様を倒されるのであれば、むしろ遅い方かと」
マジかよ。この爺さん俺に全神様を倒させようとしてるのか。ってか、俺ってそんなこと言ったっけ? ここのトップを倒せればいいんだが。ま、それを為すためにもいっぱい神様を倒して、ポイントを集めて奇跡を作らないといけないんだろうな。
ってか、NPC主導で進んで行くのってなんか新鮮だな。基本的にプレイヤーが先に進も進まないも決めることが多いからな。まあ、迷わないで済むから俺的には楽でいいんだけどな。
「分かった、早速行こう。ただ、一つ教えてくれ次の世界は何年生なんだ?」
「次はそうですねー、恐らく百年以上生きていらっしゃるのではないでしょうか? いつからいらっしゃるのかは分かりませんが、恐らく五十年以上は精力的に活動されていると思いますよ。では、ご武運を」
五十年から百年かー、相変わらず幅がデカいが、こればっかりは慣れるしかないな。その内もっと大きくなるのは目に見えてるんだし。
それにしても案内人のテンポが良すぎるな。まるで俺をさっさとエントランスから送り出したい、そんな意図が感じられる。
まあ、ダラダラしても意味ないっていうのは分かるが、それでも急ぎすぎじゃね? 長い年月生きてるならもっとゆったりしてもいいだろうに。
逆に長い年月生きてるからこそ、時間の大切さを分かっているんだろうか?
そんなこんなで俺はユグドラシル二つ目の世界に到着した。
そこは、視覚情報が入ってくる前に、嗅覚が発動した。物凄く、臭い。下水道に顔面を突っ込んでもこんな臭いにはならないんじゃないかっていうくらいの悪臭だ。
そしてホワイトアウトした視界が慣れると、そこにはゴミの世界が広がっていた。
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危うく投稿できないところでした。
明日以降の平日でどこかお休みをもらうかもです。
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