第1187話 神の采配
戦闘が終わるとネメスはあろうことか、俺の配下になる、と言い出した。
「いやー、ちょっと配下には間に合ってるんだよなー。だから他を当たってくれ」
「いえ、私の主人は貴方様しかおりませんわ。何があろうとも貴方様に従い、貴方様の為にこの命を捧げます」
いやいやいや、ちょっと重たいな。マジでこんな奴いらないんだけど。ってか、ネメスを引き取ったらこの世界丸ごとついてくるんだろ? 下界もあるってのに手に負える訳がない。
ただ、その顔を見るとどうやら目の輝き的には引き下がるつもりはないみたいだ。
『提案がございます。ネメスを配下にすることを認証し、この土地を治めるという任を与えるのはいかがでしょう? そうすることによって何も変わらず、この場を治めることができ、有事の際はこの神の協力を獲得することができますよ』
お、ナイスなアイデアだトパーズ。それ、採用。
「分かった、じゃあ仕方ない。お前を俺の配下に加えてやろう。ただ、俺の配下になったからには命令を聞いてもらおう」
「はい、何なりと」
「この世界をお前に守って欲しいんだ。お前をどこかへ連れ回すことも考えたんだが、それだとこの世界に住んでいる住民が可哀想だ。お前の元で素晴らしい生活を送らせてあげてほしい。その上で俺を信仰するように促すんだ、分かったな?」
「はいかしこまりました。そのように手配しておきます。ところで貴方様は一体何の神様なのでしょう?」
ん、俺が何の神か、だって?
そんなの考えても無かったな。でもネメスは多様性の神、というように神様は何かの神であるはずだ。俺はまだ世界を持っていないからただの神として存在できているが、それって本当に神なのだろうか?
人の神というのは流石に誇張しすぎだし、俺の好きな死の神はもう普通にいるからなー。
ま、おいおい見つけていければいいか。だから適当に返事をした。
「俺は俺自身の神様だそれ以上でもそれ以下でもない」
そう言って俺は多様性の世界から脱出した。ネメスはとても付いてきたがっていたし、いつ帰るのかと言われたのだが、とりあえずそのうちと言ってなんとか抜けてきた。これ、ずっと放置してたら邪神になるとかそういうのはないよな?
❇︎
ユグドラシルのエントランスに戻ると、そこには前と同じように案内人が待機していた。
「よくお戻りになられました」
案内人はそうやって深々とお辞儀をした。ちょっと前までバチバチにやり合っていた仲とは到底思えないような状態だ。
「あ、そういえば、俺が今行ってきた世界の神様は生まれて何年くらいだったんだ? 比較的最近と言っていたが、具体的な年数が知りたい」
「そうですね、確か七十年ほどだったと記憶しておりますが……私も記憶が曖昧になっておりました。いかんせん、歳を取ると時間が経つのが早く感じられるものですから」
七十年!? いやいやいや比較的最近ってこの爺さん一体何年生きてるんだよ、人間だとほぼ一生分だぞ? 前はジジイとは軽口叩いてたけど、実際はそんな老体には見えないぞ? めちゃくちゃ動けてたし。
ってか、生まれて数日の俺と七十年が一緒の階級って、神様の層どうなってんだ??
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休日の方が執筆するのに時間がかかるのなんでだろ??
ダラダラしすぎちゃうなー_( _´ω`)_
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