「ほう、この私と手合わせですか。そんなことをおっしゃる神様は初めてですが……いいでしょう、受けて立ちます」

　お、乗ってくれた。これは話の分かる爺さんだな。ただ、さっきから神様だの、受けて立つだの、謙遜しているような態度を取っているが、トパーズ曰く、この案内人は相当強いらしい。

　俺のスキルには全く反応がないことからもその強さが窺える。ただ単に反応していないだけなのか、それとも隠しているのかは分からないが、相当なやり手であることは間違い無いだろう。

「ただ、普通にやっても面白くありませんから、せっかくですのでこちらのルールでいかがでしょう？」

「こちらのルール？？」

「えぇ、スキル使用不可の徒手空拳。ステゴロと言った方が分かりやすいでしょうか？」

　つまりこの爺さんは俺と殴り合いをしようってことか？？

「ふふっ、では参りますよ？」

「ちょまっ」

　ッドーーーン！

　俺は投げられたのか殴られたのかも分からず吹っ飛ばされた。ここは嬉しいことに？　とても広い空間だったので壁に激突して追撃を食らうってことはなかったが、それにしてもヤバイ。何がヤバイって勝てるビジョンが全く見えないってことだ。

　今までも一度スキル、称号使用不可のバトルをしたことがある。そして今回使えないのはスキルだけだからその時よりかはマシなはずなんだが、相手が悪すぎる。なんだよほぼ瞬間移動じゃねーか。

『……だから言ったでしょう。多分あの方、貴方を殺すつもりもないと思われますよ？』

　まじか、終わった。殺してくれたら何度だって挑戦してステータス爆盛りで勝ってやろうと思ってたのにー。もしかしてだから追撃もしてこなかったのか？　やろうと思えばできそうだしな。

「ふむ、これほどの実力で喧嘩を挑んできたのでしょうか？」

　くっそムカつくなジジイ。お前がスキル封印してるからだろうがよ。それがなければもっと余裕で倒せるっつーの。

「では、ここらで止めにしましょう。無益なことはしたくはない性分でして」

「まだ、まだ終わってねぇ」

「……到底そのように見えないのですが」

　スキルが使えないってことはその他だったら使えるってことだ。例えば称号、例えばポイント。

『トパーズ、リスポーン地点をここに設定することはできるか？　ポイントはいくら使っても良い』

『できますが……使用方法が一つしか思い浮かばないのですが？』

　あぁ、多分それだ。俺からスキルを奪えば武器と同時に盾もなくなってしまう。つまりは死ねるってことだ。俺はあのジジイは絶対に許さない。

　俺は決意を固めて、舌を思いっきり噛み千切った。

「ってーーー！！」

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何か書こうとしたけど忘れた。

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