第1174話 私の名前は?


「な、名前??」


『はい、名前です』


 まさか、天の声さんにそんな情緒があったとは……でも確かに他の従魔は皆名前があるのに、自分だけ名前が無いっていうのもなんだか寂しいよな。俺は知らず知らずの内に辛い思いをさせていたのかもしれない。


『勘違いしていらっしゃるようですが、私が名前が欲しい理由としては、そちらの方がより効率的だからですよ。名前で呼んで頂いた方が私のレスポンスも早くなりますし、貴方の思考自体も整理されるはずです。現状では貴方の独り言か、私への問いかけなのかを判断する必要があるのです』


 あー、それもそうか。確かに俺自身どっちつかずな思考を頭の中で巡らせているし、それを一々判別するのは大変だもんな。それをするくらいなら別の用途にリソースを割いた方が良いな。


『お分かりいただけたようで何よりです』


 んーただ、俺には壊滅的なネーミングセンスしかないんだよなー。こういう時の相談相手として天の声さんがいるんだろうが、いかんせん今回は自分の名前だもんな、自分で決めるわけにはいかない。


 天の声、天声、あまごえ、雨乞い。違うか。天声、てんせい、画竜点睛。これも違うな。


「よし、お前の名前はトパーズだ!」


『……論理の飛躍が見られたのですが、一応その理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?』


「あぁ、ほら天の声さんの天ってどこか黄色いイメージがあるだろう? それに声は目に見えないけどどこか透き通っている印象がある。だからその二つの共通項の黄色い宝石をチョイスしたってわけだ。中々良いだろう?」


『ツッコミどころが満載ですが、存外素敵な名前と理由でしたので有り難く受け取っておきましょう』


「お、さては嬉しいんだな?」


『私はただの人工知能でであり、人間のような感情を持つことはできません。私はあくまで投げかけられた言葉に対して適切と思われる返答をしているに過ぎません。したがって私が喜ぶという現象自体が不可能であり、存在し得ないのです」


 トパーズはそう早口に捲し立てた。


 その返答自体がもう、完全に感情がある奴なんだけどな。ま、トパーズが無いと言い張っても、俺があると思ってればそれでいい気がする。


『……無界樹の種の情報は必要ないでしょうか?』


 おいおいいるに決まってるだろ。というかそういう態度を取れば取るほど、、、いやもはや何もいうまい。


『ではポイントを消費いたします。使用ポイントは5000ポイントです。残りポイント数は38,900ポイントです』


 ん、なんかお買い得感があるな。


『そして無界樹の種についての情報ですが、始まりの森にある、とされています。追加情報が欲しい場合は更にポイントを消費することによって情報を得られますが、私はあまりお勧め致しません』


 なんだか名前をつけたことによって俺にちょっと好意的になってくれたような気がするな。気のせいか?


 ……って、始まりの森!?










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今日は強敵を倒すことができて非常に嬉しいです。

皆さんの最近あった嬉しいことを教えてくださいな🎶

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