第1173話 立直
【超越細胞】‥全てを超越した細胞。細胞があらゆる病魔を克ち砕き、常に活性化状態になる。
……あのー、これってなんですか? 天の声さん。全く効果説明が機能していないんですが。
『これは超越細胞です。全てを超越しているため、病魔に冒されることはなく、また常に活性化状態にあります』
さてはてめーも分かってないんだな? 丸々復唱しただけじゃねーか。じゃあ、活性化状態ってなんだ?
『はい、活性化状態とは細胞の力が十全に発揮されている状態を指します』
おー、分かるようで分かりにくいな。つまりはリミッター解除的なことか?
『いえ、リミッター解除やオーバークロックのように、枷を外すことによって更なる力を発揮する、のではなく、単純にその性能を無駄なく存分に引き出すことによって能力を上げている状態に近いと考えられます。機械で例えるのならば無駄な回路やシステムを省き最適化することにより、全てを効率よく循環させることで性能を上げていると思っていただければ良いかと』
ほーん、つまり端的に言うとめっちゃ調子が良い状態が続くってことだな?
『……まあ、その認識で問題はないかと』
でも、それだと今までとそんなに変わらない気もするんだよなー。魔法に対しても細胞レベルで対抗できるってことだろうが、それだけで超越って言うか?
どうしてもショボく感じてしまう。ま、万能細胞の時点でそんなに効果を実感してたわけじゃないから別にいいか。沢山死ねる事の方が俺にとっては重要だ。
それに、お目当ての神水も手に入れることができた。月光プリズムに続いて、二つ目のユグドラシルに向かうためのアイテムだ。いよいよリーチというべきか、まだリーチでしかないと嘆くべきなのかは分からないが、とにかく後一つというところまで来たのだ。
ただ、最後の無界樹の種だが……コイツに関しては一切の情報がない。
『私が助言致しましょうか?』
んー、タダで教えてくれるのならばいいが、きっとポイントを要求するんだろう? 王都で荒稼ぎするっていう算段も潰えちゃったからなるべく節約していきたいんだが……
ちょっと待て。天の声さんは俺の味方だよな?
『もちろんでございます』
なら俺に不利になるような言動は行わないはずだ。だったら『私が助言致しましょうか?』というこの発言自体も俺にとって利があるからこそそう言ってるわけで何も俺からポイントを騙し取ろうとしているわけではないってことだ。
それに、メガネくんから何の情報も入っていないことを考えるとプレイヤーが自力でそれを手に入れる、どころかその情報に触れること自体難しいってことか?
『……いいだろう。じゃあその情報について教えてくれ。もちろんポイントはいくらでも払う』
『ふふっ、賢い選択です。情報は時としてお金よりも大切で、金はあくまで手段でしかありません。それはポイントも同義ですからね。そしてそんな私からお願いがあるのですが』
ん?
『いい加減私の名前を決定して欲しいのですが』
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前作に触れずに次回作に触れるのって大丈夫なんでしょうか??
皆さんはシリーズものに相対する時や好きな作者や人物ができた場合、最初から全てを追いたくなるタイプですか?それとも食指が動くものから手をつけていくタイプですか?
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