第1169話 海神の怒り


「ちょっとちょっとちょっと、何であの入り口に誘い込めたというのに、亀部隊も海栗部隊もやられているんですの!?!?」


 私はイチゴ、この海底神殿を守る気高きプレイヤーですわ。


 ですが、この神殿が不届者の手によって侵略されておりますの!


『おい、大丈夫なのだろうな? 我が神殿の最奥に入られたとなれば、被害を被るのは貴様も同じことなのだぞ?』


 この声は海神様……私の主にして依頼主でもある存在ですわ。


「わ、わかっておりますわ。その為にしっかりと準備しているんですもの、負けるはずがなくってよ!」


『ふむ、だといいのだが』


 強がってみたものの、実際問題かなり不味い状況ですわ。


 あのプレイヤーは実質この世界最強と言っても過言ではありませんわ。私やハクだけでなく、お姉さままでその手にかけているという、真の強者。前回はなんとかその場の起点で追い返すことができましたが、再びやってきたということはもう同じ手は通用しないということでしょうね……


 それにしてもあのプレイヤーは従魔なんて引き連れていたかしら? しかも、あんな巨大で禍々しいオーラを放っている魔物を。まるであれじゃ魔王ですわ。


「魔王……?」


『ん、どうした何か問題でもあったのか? 仮に問題が発生したとしても、侵入者は追い払うのだ、どんな犠牲があってもな』


 そういえばお姉様があのプレイヤーは魔王と何か関係がある、それもただの浅い関係なんかではなく、重要な手がかりを持っているかもしれない、というようなことを言っておりましたわ。


 つまりあの従魔も魔王から借りているもの……?


 その他にもあのプレイヤーの強さは目を見張るものがありますわ。ただ、それも魔王に魂を売っているとなれば合点がいきますわね。


『おい、聞いておるのか! 侵入者は第三の関門も突破したぞ。もうすぐそこまできておる、何か対応を取れ、策はないのか!』


 つまり、ここで私が情報を更に集めることができたらお姉様から褒めてもらえることは間違い無いですわね。


『おい、いい加減にせぬか! もう敵は眼前にまで迫っているのだぞ! 貴様にはこの神殿を守る義務がある! 務めを果たすのだ、出なければ貴様は……』


「私が行きますわ」


『……そうか、ならば良い。貴様にはこの我が力を貸してやっているのだからな、へばるでないぞ、これで貴様がやられたら契約は解除させてもらうからな』


「私には考えがありますわ」


 そう言って私はあのプレイヤーの前に立ちはだかりましたわ。さて、どのようにしてその化けの皮を剥いでやりましょう?










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積読がどんどん増えていく……

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