第1142話 一神一対


 不死属性って……なるほど、マグマによって引き起こされた結果の方が奇跡になった、というわけか。


 ん、でも待てよ? これって別に奇跡じゃなくても俺のスキルで賄えるよな? ってか、そもそもスキルによって奇跡を起こしたんだし。


 いや、そもそも奇跡を増やせるというが、どんな奇跡もまずは一度自分で起こさなければいけないんだとしたら、なんでそんな回りくどくて、無駄なことをするんだ?


「んー」


 ここで天の声に頼るのは癪な気がする。それになんだか教えて貰えなさそうな気もするしな。


 でも、一見無駄そうに思えることほど大事だったりするもんだ。奇跡を積極的に増やそうとは思わないが、機会があれば忘れずに奇跡としてストックしておこう。


 ん、そうか。奇跡としてストックできることに意味があるのか? 奇跡っていうのは俺みたいに単一のスキルで実現できるものだけじゃないはずだ。色んなスキルや環境、時には運をも味方にして実現するものだとしたら、そんな奇跡をストックしていつでも使えるっていうのは大きな強みかもしれない。


 むしろ、そういった事象こそを奇跡としてストックしろ、ということなのかもしれないな。俺が今から向かおうとしているユグドラシルやその先では、そんな奇跡を持ってしてではないと、立ち向かうことすらできない神々が沢山いるかもしれない。


 ふっ、俺は天の声なんぞに頼らなくとも答えに辿り着くことができた。つまり、俺の勝ちということだな。まずは一勝だ。


「……負けておりませんが?」


 その言葉が発せられることそのものが、貴様の負けを意味していることに気づかんのか? 


 よし、お遊びはここら辺にしてっと。まずは一旦現状の整理をしよう。色々とやるべきことが増えて、ゴチャゴチャしてるからな。


 まず、今の俺の最終目標はユグドラシルへ向かうことだ。


 ハーゲンの進化によってその存在が明らかになったユグドラシルは、ほとんどのプレイヤーが知らない存在だ。そんな場所には絶対にまだ見ぬ何かがあるし、きっとそれが俺の心を揺さぶってくれるはずだ。


 そして、そこに向かうために必要なのが……なんだっけ?


「神水、無界樹の種、月光プリズム、です。これで私の一勝ですね?」


 チッ、流石に記憶の保持に関しては天の声に分があるぜ。


 しかも、これらの所在を聞くには俺の神としての格、神格が足りず、それを上昇させるためには信仰ポイントを貯めなければならない。


 次に、ユグドラシルに行った後に必要になるのが、奇跡だな。これはさっきの考察の通りだが、これもストックして発動するにはポイントが不可欠だ。


 つまり、俺が今からすべき行動は信仰ポイント稼ぎだ!!


「なあ、信仰ポイントの効率の良い稼ぎ方を教えてくれ」


「いいのですか? 私が勝ち越してしまいますよ?」


「あぁん? 別に聞いてねーし、自分で考えるし」


 やっべ、面倒くせ。勝負なんて概念持ち込むんじゃなかった。圧倒的に人間側が不利というのに。そもそも、基本俺が負けているから、勝った時に嬉しくて一勝だな、って言っただけなのに、対抗しやがって……


「聞こえておりますよ?」


「うるさーい!」









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お久しぶりです!いつぶりだろ?


今日は皆様に始まりをお聞きしたいです!つまり、web小説やラノベにハマったきっかけとなる作品ですね!


私はラノベはSAO、web小説は転スラですね!


キッズじゃねーか!って? 「うるさーい!」٩(๑`^´๑)۶

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