第1141話 奇跡の問題児
よし、先ずは一旦情報の整理を始めよう。その後に問題児の処理だ。
「え、もしかして私が問題児というのですか?」
「俺が次許可するまで発言を禁止する」
「……」
もう喋らないってか。返事くらいしてくれても良いのに。
まあこれで静かにはなったな。落ち着いて整理することができる。
まず俺は神になれた。これは確定事項だ。天の声もそう言ってたし、人神も神の一端ということは間違いないだろう。
そして、信仰ポイントを貯めることによって神格を上げたり、使える奇跡を増やしたりすることができるんだったな。あ、あと質問する為にもポイントが必要だったか。
これはかなり使い所が多そうだな。奇跡は増やさないで良いにしろ、神格は上げたいし質問も適宜行う必要があるだろう。
そうなってくると、効率の良い信仰ポイントの稼ぎ方を模索しておかないといけない。メガネくんに要相談だな。
そして、神様になった特典として霊体と奇跡と天の声が使えるようになったのか。霊体は何となく実感として分かるから良いとして、奇跡は一度使ってみる必要があるな。
確か天の声は、『貴方が神になるために行った奇跡がいつでも行使可能になります』って言ってたっけな?
この文面からすると、俺の奇跡はマグマの洪水をいつでも引き起こせるってことにならないか?
取り敢えずやってみるか。
「【奇跡】」
……ん、なんか奇跡って自分で言うのって恥ずかしい、って、何も起きてないじゃん! マグマが降ってきても良いように、わざわざ魔王の自室から海の上までやってきたっていうのに、どういうことだ?
『あまりに見かねたため、禁止事項を無視して助言させていただきます。貴方の行った奇跡は、マグマを垂れ流すことでしたでしょうか?』
マグマを垂れ流す? 天の声が勝手に喋り出したことよりも、俺はその言葉に気を取られた。
でもその言い草だと頑張ってくれたペレに対して失礼じゃないか?
「……もしかして、あれはペレがやったこと扱いになって俺の奇跡には含まれていないってことか?」
「左様でござまいます。というか当たり前でしょう? 自分のものではないことに対して自分の手柄だと主張するのは幼さを感じますよ」
一々癇に障る奴だなー。でも、流石にウザさに見合うだけの有能さは備えてるみたいだな。言いつけを破ってアドバイスするタイミングは完璧だった。
「じゃあ、俺の奇跡って一体なんなんだ?」
「それはご自分で試された方が良いかと。因みに、奇跡には対象が必要だということをお忘れですか?」
むぅー、憎たらしさを削除するオプションは無いのか?
まあ良い。有能なのは有能なんだ。そこだけに目を向けよう。兎に角対象が必要ってことだろ? 誰にしよ?
魔王城付近に戻ると、ちょうど教会から出てきた司祭と遭遇した。あ、今は大司教だったか。じゃあ、ちょっとコイツに試してみよう。
「ちょっとそこを動かないでくれ。【奇跡】」
やはり対象が明確にいてもマグマは降ってこないな。それとも奇跡の時みたいに大人数必要なのだろうか?
俺が一人考え込んでいると、大司教から声がかけられた。そろそろ名前覚えてあげないとな。
「あ、あのー、今何をされたのでしょうか? そのー、私に不死属性が付与されているのですが……」
「え?」
「え?」
「不死属性!?」
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ちょっとゆったり休憩しちゃいました!
これからも無理せず参ります!
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