第1129話 強行突破


 不味い不味い不味い。このままじゃ俺が生贄になってしまう。いや、最悪それはいいんだが、問題は俺に即死無効がついてるってことだ。


 儀式が終わって綺麗さっぱり生贄が消えた後に俺だけ死ねなくて残ってたら流石にシュールすぎるだろ。なにより恥ずかしい。


 俺は急いで封印を使用し、無効スキルをとりあえず無効にしまくった。これで多分死ねるはず。


「……」


 長ぇな。いつまで儀式やるつもりだ? ちゃっと終わらせて、ちゃっと解散させろよー。


 でもまあ生贄に捧げるだけでステータスが永久的に上昇するんだから、そのくらいは当然なのか。ただ、生贄の気持ちもたまには考えて欲しいものだ。


「…………」


 おい、流石にちょっと長すぎないか? 下手に動いてバレるのが一番嫌だから時間すら確認できてないが、多分めっちゃ時間経ってるよな? こんなに儀式長いもんなのか? さっき入ってきた時は終わる直前だったのか?? もう、なんでも良いから早く終わらせてくれ。


 そこからどのくらいの時間が経っただろうか。思考が何周も回り、もう少しで解脱できるかも、というところで俺は広場へと転移させられた。


 いや、死に戻った。


 いやー、儀式って大変なんだな。あんなに時間をかけてステータスを上げるんだったら、もはや自分たちで狩りをしまくった方がいいんじゃないか?


 まあ、俺の信徒でもあるのだから野暮なことを言うのはやめておこう。


 そんなことよりも、久しぶりの死に戻りな気がする。神になる上で、もっとステータスは上げた方がいいし、ユグドラシル攻略にもきっと必要だ。


 その内どっかで死にまくらないといけないな。


 ってかちょっと待て。俺は司祭に色々と話を聞こうと思ってたんだよな? それなのに何で死に戻ってんだよ!


 ちょっとこれは説教が必要だな。


 ❇︎


 俺が再び教会に戻ると、そこには司祭が申し訳なさそうな顔で立っていた。


 そんな顔をするくらいなら、最初からよく考えて行動してくれ。と、そんな言葉が出かけたが、誰しもミスはするし、そもそも俺はそんなに怒ってないことに気がついた。部下のミスを寛大な心で受け入れるのも上司の務めだろう?


「儀式でどのくらいのステータスが上がったんだ?」


 怒られると思っていたのか、とても驚いた顔をしながら返事をしてくれた。


「えーっと今までがステータスが1〜2ずつ上昇していたところ、今回はなんと15も上昇したようです! これは魔王様が生贄になった、から……申し訳ありません!」


 おいコイツ自分で勝手に墓穴掘って自分でダイブしていったぞ?


「そんなことより、そもそもなんで儀式なんかしているんだ? あって困ることはないが、別にお前たちには武力を求めているわけではないぞ?」


「あぁ、それはですね。私のクエストを進めるために必要だからです!」


「クエスト?」


「はい! 魔王様から信徒を集めるよう命じられた時、同時に教皇への山道さんどうというクエストが発生しておりまして、それをクリアするために、信徒を集めたり、教会を改築したり、儀式を行ったりしておりました」


「ほ、ほう? それで、今の役職はなんなんだ?」


「はい、大司教でございます!」


 だ、大司教??!!







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一週間ぶりです!

本当は本当は昨日投稿したかったのですが、気づいたら日を跨いでおりました!


そして、私が休んでいた間になんとフォロワーが9000人を突破いたしました!(≧▽≦)

本当に嬉しい限りです!

長年目標にしていた10000人まで残り1000人ということで俄然やる気が出てまいりました!

まだまだ邁進するつもりですので、今後も何卒よろしくお願いいたします!m(_ _)m

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る