第1124話 苦手な気持ち


「これからはちゃんとちょこちょこ依頼を受けに来いよ? お前は強いんだからいくらでも仕事はある。今度は暗殺の方もしっかりやってもらいたいしな」


「はい。ありがとうございました。では失礼致します」


 ふぅ、やっとギルカの更新が終わった。


 ってか、最後あの言い方的にもやっぱり俺に幻獣の依頼を受けさせたのは意図的だったんだな。


 あ、そうそう残念ながら俺の嘴攻撃では受付の人を圧死させることは叶わなかった。あと嘴が綺麗に真っ直ぐであんまり嵩張らなかった、と言うのも失敗した要因の一つと言えるだろう。


 後何百体分かは余分で必要だったから、惜しいという感情すら湧かなかった。ただ、受付の人は相当びっくりしていたので、それで許そうと思う。


 さて、そんなこんなで俺は漸く、再び王都立中央図書館の前にやって来ることができた。因みに正式名称かどうかは知らない。というか今勝手に名付けた。


 そもそもこの国の名前って何なんだろう? 三年くらい遊んでいるのに知らないって不味い気がする。


 まあ、そんなことは今はどうでも良い。とにかく今はユグドラシルだ。


 俺は固い決意を胸に、図書館の中へと入っていった。すると、そこには想像も絶するような高い本棚と、そこにギッシリ詰め込まれた本達が待ち構えていた。


「あれ?」


 ちょっと待て、こんなに本って多かったっけ? ってか、俺、以前にもこの図書館に来たはずだよな? リニューアルオープンでもしたか? そうじゃないと、この衝撃度はおかしい気がするんだが。


 もしかしたら、俺が気付かぬ増築や改築を繰り返して蔵書数が何倍にもなっているのかもしれない。


 ん、ってことはここからユグドラシルに関連する本を探すってことか?


 前回、ここに来た時ある程度どんな本を求めているのか定まっていたし、何よりそのジャンルが分かりやすかったから探すのが楽だったのだろう。


 だが、今は「ユグドラシル」と言う単語しか与えられていない。神話コーナーに行けばあるのだろうか? 現実のユグドラシルとこの世界のユグドラシルがまた絶妙に同一では無いからこそ、見つけるのが難しくなっていそうだ。


 とにかく、ウダウダ言っても始まらない。まずは足を動かそう。


ーーー数時間後、


 あれー? 本当にないんですが。ってか、この図書館デカくね? 数時間回っていまだに全部回りきれていないっておかしくないですか?


 なんで、ここには蔵書検索がないんだよー。書店にも図書館にもたいていあるだろー? ないとしたら古本屋さんくらいだろうが、古本屋は絶対にこんなにデカくない!


 ……クソ、こうなったら最終兵器を使うしかないようだな。この俺に、その選択肢を取らせるとは流石は王都国立図書館だ。もちろん今だに正式名称は知らない。あれ、表に書いてあったかな?


「す、スミマセ〜ん」


 くっ、司書さん含む、店員さんに話しかけるのは大の苦手なんだよ!








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主人公は道に迷ったらマップを見る前にとりあえず勘で歩き回って、その後に地図を見るタイプです()

皆さんは店員さんに話しかけるの得意ですか??

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