第1122話 正堂


 スチュパリデス、それは怪鳥と呼ばれるモンスターで、現実の鶴のような体格で朱鷺のような見た目をしているらしい。


 青銅でできた翼をはためかせ羽を飛ばしたり、同じく青銅でできた嘴によってつついたりしてくるらしいが、そのどれもが強力で、鉄や青銅程度じゃ簡単に貫いてしまうらしい。


 青銅でできているのに飛べてるって凄いよな。ウチのハーゲンの翼も白金とかにしようかな?


 因みに、この情報はもちろん全てメガネくんから教わったものである。聞いたら一瞬で教えてくれた。


 ただ、一つその中でも大きな特徴があるらしい。それは、


「「「ギャアギャアギャアギャア」」」


 物凄い数で群れを成している、ということだ。


 指定された場所に到着すると、頭が割れそうなくらいの爆音に包まれた。一体何体いるのだろうか。しかもその一体一体が鉄を容易に貫くほどの武器を所持しているってかなりヤバいんじゃないでしょうか?


 ん、ちょっと待て。そういえばあの受付討伐証明部位の嘴を持って来い、って言ってたよな? これって一個だけでいいのか? 絶対そんなわけないよな?


 ……あの野郎! 絶対に許さんぞ!


 よし、こうなったら全員の嘴を一個ずつ回収して、あのギルドの許容量を絶対に越えてやる。最終ゴールは嘴であの受付を圧死させることだな。ん、最悪また蘇生しちまえばいいんだからいいだろ。


 はぁ、それにしても骨が折れる作業になってしまったな。スキルを思いっきりぶっ放してチャチャっと終わらせるつもりだったんだがそうもいかないみたいだな。


 従魔に頼っても嘴をきちんと回収できるか分からないしなー。普通に、綺麗に残る方が少なそうだ。


 となると、やはり自力で集める他無さそうだ。


 あ、そうだ。せっかく一人でやるなら縛りを設けよう。スキルも従魔も使えないんだから、いっそのこと武器も使えなくして、素手で全員倒す、ってのをやってみるか。


 それならちょっと面白そうだし、ちゃんと嘴も回収できるからな。


 ただ、途中で逃げられても困るんだよなー。ここは思い切って頼るか。


「ハーゲン、ゼイン!」


 ハーゲンのカッコ良さが爆増し、ゼインもゼインで炎の竜で普通にカッコいいから、並ぶと普通にビジュアルが良い。今時人間にビジュアルがどーのこーのっていう文化はないが、モンスターにならどれだけ言っても問題ないよな?


『お前たち空部隊二人にはスチュパリデスが逃げないように監視してもらおうと思う。一応手は出さないでもらう。最悪何かあった時の為に禁止はしないが、そういうことでお願いする』


 さて、じゃあノー武器ソロスチュパリデス殲滅チャレンジ、始めますか!!




ーーー称号《無手の殺戮者》を獲得しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る