第1118話 執行


 え、失効……?


 そりゃ現実世界では運転免許証とかパスポートとか更新が必要だけどもさー。ここ、ゲームの世界だよ? なんで失効とか夢のない制度が存在するんだよー。


 ってか、何より一度行かないと決めたギルドに今から行かなければならないってのが地味にキツイな。あー先に行っておけばその時に気づけたかもしれないのになー。


 こういう何気ない二択を外すのって地味に心にくるよな。二分の一で俺は正解を引けてたのに、って。


 まあ、二分の一だからこそハズレの確率も高いわけで、どうしようもないんだけどな。


「はぁ、」


 俺は行きと違って、意気消沈しながらギルドへと向かった。ってか、暗殺ギルドってどの街にもあるんだよな? 王都のギルドってどこにあったっけ?


 ❇︎


 なんとか見つけ出し、ギルドに到着すると、そこにはいつも通りマッチョ過ぎる受付が待ち構えていた。


 それにしても久々のギルドすぎて、長期間学校をサボった後の登校みたいな気まずさがあるな。いや、不登校になったことはないんだけども、多分そんな感じだ。


「あのーすみません。ギルドカードが失効してしまったんですけど……」


「あぁん、失効だと? お前さんさてはギルドの依頼全然こなしてねーだろ。ウチの暗殺ギルドにはノルマがあってだな、それをこなさねーと、資格が剥奪されてカードが失効してしまうんだよ」


「え! 本当ですか!?」


「そりゃ、俺が嘘つくわけねーだろーがよ」


 おいおいマジかよ。そんなノルマなんてあったのかよ。初耳なんだが。いや、そりゃ最初の頃はランク上げのためだったり、金稼ぎのためだったりと、依頼をこなしまくってたから気にする必要なんてなかったけどさー。


 そういうのは最初に厳重に注意しとけよな。


「すみません。再発行、もしくは更新って可能なのでしょうか?」


「あー、できなくはねーがあんまりオススメしねーぞ?」


「へ、それはまたなんで?」


「そりゃ、再発行はギルド職員とのタイマンだからだよ」


「ん、ってことは?」


「今はこのギルドに俺しかいねーから必然的に俺と戦うことになるな。今は受付してるが、もちろんしっかりと依頼をこなした上で受付をしている。依頼もこなせないような、お前さんが戦うにはちと荷が重い相手だと思うぜ?」


「はぁ……なるほど」


 そんなドヤ顔で言われても、なんだが。良い感じに日焼けした顔から覗く白い歯がアニメのようにキラリと光ったかと思ったぞ。


 でも、久しぶりの人間とサシでの勝負か。ここ最近はモンスターと戦うか、人間とやっても一対多しかなかったからな、ちょっと肩慣らしついでにギルドカード更新しますか!







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さーて、私のこの連続更新がいつまで続くのでしょうね?(もう終わりそ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る