第1115話 幻

新年、明けましておめでとうございます!

今年も何卒よろしくお願いいたします!m(_ _)m

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「何!? 一度に大量の人間を幻術にかけるじゃと? というか、人間というのは今まさに攻めてきておるあ奴等のことか? 妾は嫌やぞ、疲れるからな」


 俺が天狐に幻術に関して聞くと、かなり驚いた様子でそういった。如何に天狐と言えどもあれだけの人間を幻術にかけるのは相当大変なんだな。だが、


「ってことはできるってことなんだな?」


「ぎくっ」


 ぎく、って分かりやすすぎるだろ……それでいいのか? 三妖さんよー。ん、これは駄洒落じゃないからな?


「ただ、その反応からするに今すぐ簡単にできる、ってわけでもないんだな? 具体的に何か必要なことだったりものだったりあるか? やり方さえ教えてくれれば後はこっちで用意するから」


「ふんっ、簡単に言いおって。その準備が大変じゃから嫌だと言っておるのじゃ」


「そんなに大変なのか? 言ってくれれば俺だってあらゆる力を使って用意するぞ? あ、因みに幻術ってどのくらい持つんだ?」


「うむ、まあどんな術にするかじゃが、長くても七日程度しかもたんじゃろうな。そもそも幻術は幻なのじゃからあまり長い時間かける必要がないのじゃ。必要なタイミングに必要なだけ幻術をかけることがとても大事なのじゃよ」


 お、なんか三妖っぽいこと言ってら。でも、流石に七日間だけかけることができても意味ないんだよなー。


「そこをなんとか半永久的に持続させる方法ってないのか?」


 一週間経った後にかけ直し続けるのはシンドいだろ? ……天狐が。


「にゃっ、半永久的じゃと? 貴様、自分で何を言っておるのかわかっておるのか? そもそもどんな術でも半永久的なものとするには妖力を供給しなければならんのじゃ。土台無理な話を妾に持ってくるでないぞ!」


「妖力を供給? それって人間からも吸い取ることってできるんだよな?」


「ん、無論そうじゃが? ただ、鍛えておらん奴らは本当に微々たる程度しか持っておらんがな」


「ってことは、今攻めて来ている奴等の妖力を使って、幻術を展開すれば半永久的に行けるんじゃないか? 供給源が無くなる時っていうのはもう誰も攻めて来なくなった時だろうし」


「なっ、き、貴様はなんてことを考えておるんじゃ! そ、そんなことできる訳も……いや、できんことはないのか?」


「お、じゃあメガネくんに話つけておくから後は頼んだ」


 多分、エリア指定のデバフ、みたいな扱いになるのか? それだと、魔王城から離れて時間が経ったら解けてしまうだろうが、また近づいて来たら幻術にかかるだろうし、多分問題はないはずだ。


「嫌じゃ嫌じゃ、妾は今日くらい部屋でゴロゴロしたいのじゃー!」


「いっつもグータラしてんだろ。逆に今日くらいは頑張って働けよ」


 メガネくんなんてずっと働いてくれてるんだぞ? 少しは上司を見習って欲しいものだな。


 ただ、これでなんとかプレイヤーたちに関しては無視することができそうだ。つまり、やっとユグドラシルに対して向き合うことができるって訳だな。









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このユグドラシル編が最終章になると思います。

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