第1100話 メガネのアイツ


 祢々切丸ねねきりまるをカイトに任せ、俺は次の試合の組み合わせを考えた。


 もうかなりの試合数をこなしてきたように思えるが、この後トーナメントを進めていくことや、プレイヤーを迎え撃つための要塞作りなどを考えるとまだまだ先は長い。


 そんなことを考えていると、メガネくんから一つの申し出があった。


「へ、陛下。あ、あのー、非常に申し上げにくいのですが」


「ん、どうした?」


 メガネくんから俺に話しかける時はとても重要なことであることが多い。そしてそれは緊急性の高い場合が殆どだ。だが、今回はそのどれでもないようだった。


「私もこの戦いに参加させてもらうことって可能でしょうか?」


「ん??」


「私も日々、参謀などという私にはとても荷が重い素晴らしい役職として働かせてもらっているのですが、それでも魔王軍であることには変わりありません。私も強さを追い求めるべきだと思っておりますし、その信条を持つ以上、自分の強さがどの程度であるのか知りたいのでございます」


「ほう、」


 メガネくんもメガネくんなりに強くあろうとしているわけか。俺としては嬉しい限りなのだが、対戦相手が……あ、そうだアイツらにしよう。


 別にメガネくんを贔屓しているわけではないが、唯一プレイヤーで仲良くしている人なのだ、惨たらしい結果で心身に何らかの影響があった場合に非常に申し訳ないと感じてしまう。それと単純に戦力として数えていなかった。


 も、もちろんメガネくんは力以外の面で非常に活躍しているから存在を忘れていたわけじゃないから安心して欲しい。


「次は堕天使ズとメガネくんだ」


 この堕天使——こちらも同様完全に忘れていたのだが——は従魔の中では弱くとも、最近天女化したり、連携を強化したりと何気に強くなっている存在である。正に、メガネくんの対戦相手に相応しいと言えるだろう。


 逆に言えば、堕天使に勝てばメガネくんの戦力は相当なものと判断できるだろう。


 なんか、変な気分だな。この両者が戦うなんて。


「じゃあ、はじめっ!」


 三人並んだ堕天使は合体して天女に、そしてメガネくんは溶けて無くなるかのように姿を消した。


 ……え?


 なんで消えるの? メガネくんってそんな力あったっけ?


 メガネくんの突然の消失により戸惑っているのは俺だけじゃなく、というかむしろ一番驚いているのは当然、堕天女だった。意識としては三人分あるだろうから、驚きももしかしたら三倍になっているのかもしれない。


 さあ、ここからどんな戦いを見せてくれるんだ、メガネくん?








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もう1100話って……新しい作品を描こうと思っても100話なんて全然書けないのに……

これからもよろしくお願いします!

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