第1078話 知られざる真実


 鵺じゃない!? そう思う間も無く俺たちは夜に包まれ、落下しているような、浮いているような、そんな感覚に包まれた。


 そして目の前に先ほどの受付が現れ、そして姿を変えた。


「私の名前は、プーカ。妖精です」


「妖精!?」


 そういえば確かここは妖の隔世、妖は何も妖怪だけじゃない。妖精もまた、妖なのか。ここに来て遭遇するのが妖怪ばかりでそんなこと完全に忘れてたぜ。


 でも今思えばこの世界に来る前、メガネくんもそんなこと言ってたような気がする。そうか、妖、妖精か……


「って、え、プーカ? 鵺じゃないの?」


「はい。鵺は貴方たち妖怪が大好きな皆さんに分かりやすくする為のいわば、デコイですね」


 おいおい、アイツら俺らを騙して嵌めようとしたクセに完全に騙されちゃってるじゃねーかよ。適当教えやがって。どこが鵺だよ、一文字も会ってねーじゃねーかよ。


「ってことは、お前が三妖の最後の一体、というわけか」


「ふふ、三妖、というのも皮肉な話ですよね。そもそも三妖という存在そのものが私を隠す為の隠れ蓑なのですから」


「なっ……ってことは、お前は三妖の中でも一番強いってことか?」


「えぇ。でも考えてみてください。そもそも三妖とは誰が決めたのでしょう? あまりの強さに自然発生的に生まれたのだとするならばそのメンバーが公になっていないのはおかしいですよね? つまりは誰かが任命したということです。それなのに三妖がこの世界のトップかのように奉られている。これがどういうことかお分かりいただけますか?」


「つまりはお前が三妖を作り、この世界を支配しているということか」


「ご明察、です」


 確かに、俺も今まで少し違和感を感じていた。なぜ大天狗と天狐は仲が良い、いや悪いのにもう一人については何も知らないのか、と。運営による調整かと思っていたのだが、まさかそういう理由があったとはな。


「だが、何故そんなことを俺に教えてくれるんだ? 別に黙っていれば俺はこの事実に辿り着くことは無かっただろう?」


「ふふっ、これはご褒美ですよ。私の姿の一端でも見破った、ご褒美です。そして忠告でもあります。今の貴方たちでは絶対に私には勝つことができません。それを伝えに来ました」


「何? それはやって見ないと分からないだろう」


「ふふっ。だから勝てないのですよ。まあ、それでも私に挑みたくば神殿までお越しください。ケルト神殿へ」


 パチッ


 その言葉と共に夜が終わった。俺は夜が始まる前の受付の前に立っていた。プーカ、か。確かにめちゃくちゃ強そうな敵が現れてくれたな。


 それにしても今の俺たちじゃ絶対に勝てないってどういうことだ?








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やっと出せたー!

妖精ちゃんもいるのですっ!

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