第1076話 効率厨
プレイヤーの二人に連れて来られたのは小さな洞穴のような場所だった。
必要最低限の明かりしか灯っておらず、妖どころか人すらいなさそうな、そんな場所だった。いや、普通逆か?
「おい、本当にこんな所に旨い妖力狩りスポットがあるっていうのか?」
「えぇ、そうですよ。貴方たちという立派なご馳走がね」
「は?」
長身の方のプレイヤーがさっきと態度を豹変させてそういうと、周囲からワラワラとプレイヤーが現れた。おいおい、これってもしかして……
「貴方たちは強い。私たちは先程の戦いでそれを思い知りました。ですが、それは二対二の場合においてのみです。二対多だったらどうでしょう? しかもここは私たちのリスポーン地点の近くです。無限に兵がやってきます。大人しく観念することですね」
ガチか、すっかり騙されてしまったぜ。
これは流石に俺もびっくりしたぞ。なんせ、これだけの兵力で俺に勝とうとしているっていうんだから。
「おいおい、こっちの兵力が二って誰が言ったんだ?」
「ふっ、ここに来てハッタリはよしてください。先程の神通力は確かに強力でしたがそれっきりでしょう? 貴方たちにはもうあれほどの妖術はもう残っていない!」
「妖術だの妖力だの知らねーが、これを見てから言ってくれねーか? な、メガネくん」
「はい! 全員召喚です!」
そういうと、俺たちの周りに、先程現れたプレイヤーの倍近くの妖が出現した。それは、小さな洞穴では手狭になるほどの数だった。
「お前らがこんなに馬鹿だとは思わなかったよ。まあ、これで気兼ねなくやれるってわけだが」
「ま、待てっ! これには深いワケがって、酒呑童子!? 八岐大蛇ま……で、」
魑魅魍魎と化した戦場に立っていたのは結局俺とメガネくんと妖たちだった。リスポーン地点が近くにあるなら、勝てるまで戦いに来ればいいのにな。
まあ、だから彼らは勝てないのかもしれない。勝つために絶対に必要なのは、勝つまで続けることだもんな。
「よし、メガネくん妖力は結構集まったか?」
「はい! あの人たちが結構献上してくださいました!」
献上って……メガネくんはもしかして煽り性能高いのかもしれない。
「よし、鵺を出す為にはまだまだ妖力が必要だろうから、一旦また館に戻っていい感じのクエストとかないか見てみよう」
「はい!」
それにしても本当にここは効率の良い妖力スポットだったな。
❇︎
館に戻り、クエストを物色しようとしていると俺は先程来た時には感じなかった、ある違和感のようなものを感じた。まるで暗闇の中で頭が黒い霧に包まれたようなそんなモヤッとした、でも確かに感じる違和感を感じたのだ。
もしかして、鵺!?
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効率良いのっていいですよね!!
一時期私も効率厨でした!今はもうそれすらも面倒臭くなりましたが()
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