第1071話 ガチャ開封


 天狐の思いがけない提案に受け、今すぐにでも天狐の配下に向かおうとしたところ、思わぬところから横槍を入れられた。


「おい、ちょっと待て。我らが知らぬ間にこの婆狐と何かあった様だが、先約は我らだろう? というか、石碑を壊してこいと言ったのは貴様だろう。さっきからその石碑から出てきた妖が五月蝿くて敵わんぞ」


「あ、」


 完全に忘れてた。そういえばそんなことも頼んでたな。というか、それに二人を向かわせた時に俺が天狐に狙われたのか。それなら俺、悪くないだろ全部天狐のせいじゃないか。


 まあ、言い訳は置いといて石碑は石碑でとても気になるな。まずはこちらから解決してやるとするか。


「分かった。じゃあ先ずはそっちから片付けよう。とは言っても全ての妖を紹介する必要はない。お前らからして使えそうな奴だけ教えてくれ、それ以外は焼くなり煮るなり自由にしていいぞ」


「ふむ、では先ず儂から紹介させてもらうとするかのう。儂が捕まえて来た中で一番強いのは、コイツじゃ」


 そう言って大天狗が呼び出した妖は…………


「は、八岐大蛇??」


「おー、よく知っておるのう。此奴はいきがいいからそれなりには使えるじゃろう」


 それにしても初手から中々イカつい奴持ってきたな。八岐大蛇って結構凄い、というか古事記にすら出てくる伝説級の生き物なんじゃないか? これに対抗できるやつなんているのか?


「次は我だな。我は此奴、酒呑童子だ」


「酒呑童子!?」


 おいおい、竜の次は鬼かよ。それにしても石碑ってどれだけ凄い奴らを封印してたんだ? 最初の鎌鼬がもはや可愛く見えてくるほどじゃねーかよ。まあ、その分ハズレも沢山あったんだろうが、それにしてもSSS級過ぎだろ。


 その後も土蜘蛛と大天狗による妖紹介が行われた。ダイダラボッチや海坊主など名だたる有名な妖を沢山連れてきてくれていた。


「よし。二人ともありがとう、これは素晴らしい功績だ。これからも期待しているぞ。そうだメガネくん、今連れてこられた妖たちも全員従えておいてくれ」


「か、かしこまりました!」


 これだけの精鋭たちを従えればこの世界では流石にメガネくんも最強クラスになるだろう。普通に妖力も結構溜まってきてるだろうし、ラストの三妖と戦う時もきっと戦力になってくれるはずだ。


 むしろ、妖力がないとそもそも話にならない可能性すらあるから、そうなったらもうメガネくん頼りになるからな。頑張ってもらおう。


「あ、あのー陛下……」


「ん、どうした?」


「はい、その陛下におんぶに抱っこで非常に申し上げにくいのですが、私、百妖夜行という称号を手に入れてしまいました」


「百妖夜行!?」









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