第1072話 腐っても三
石碑をぶち壊しまくって妖を大量捕獲した結果、メガネくんが百妖夜行という力を手に入れてしまった。
「因みにそれはどんな効果があるんだ?」
「はい。えーっと、ですね、この称号を保持していると従えている妖の妖力に補正が入るようです。そしてその補正の倍率は従えている妖の数によって決まるらしいです。つまり、妖を従えれば従えるほど強くなるって感じですね」
え、普通にメチャ強じゃん。
これは本当にメガネくんに妖担当を任せておいて正解だったな。いや、妖担当にしたからここまで強くなったのか? いずれにせよ俺とメガネくんに分散させていたらこうはならなかっただろうな。
「それで今従えている妖は大体どのくらいなんだ?」
「えーっと、大体五十体くらいでしょうか?」
おい、多過ぎだろ。ってか、あいつらはどれだけ石碑ぶち壊してきたんだ? いや確かに命令したのは俺だけどもこうして冷静になってみると、ちょっとやり過ぎたかもな。でも、ここまで来たからにはとことんやってやる。
目指せ妖百人ゲットだ。
でも、石碑は粗方壊し終わったんだろう? 野良の妖を捕まえまくってもいいが、強さにばらつきがあるし何よりも効率が悪い。もっと一気に大量収穫できるような場所が……
「あ、そうだ。お前の配下たちがいるんだろう? その場所に案内してくれ。情報収集と使えそうな奴が居たら引き抜かせてもらう」
「ふん、漸く妾の出番じゃな。待ち惚けすぎて、尻尾が一本増えるとこじゃったわい」
え、天狐の尻尾って時間経過で増えるの? 尻尾の数ってそれこそ力の象徴とかじゃなかったっけ? それもはやチートじゃね? いや、流石に時間経過で勝手に増えるのはチート過ぎるから、暇な時に妖力を貯めたらその分だけ増えるとかか?
だからもしかしたら尻尾は妖力のバッテリーみたいなものなのかもしれない。まあ、本人に聞けば一発でわかるんだろうけど。
「ここじゃ、ここに妾の配下の一人がおるぞ」
気づけば俺たちは大きな建物のある場所に来ていた。ここに天狐の配下がいるってことだが……
「は? 妖の館!?」
そこには見覚えしかない、館がどでーんと鎮座していた。ちょっと待て、ここに配下がいるってことは?
「あれ、言っておらんかったかの? 妾の配下はここでギルドマスターをしておるぞ? 因みにお主が危険だと判断したのも其奴だから苦情は妾にいうでないぞ」
ま、マジか……三妖ってガチですげーんだな。大天狗をサクッと倒しちゃったり、天狐をチートで倒しちゃってたから意識してなかったけど、そりゃそうだよな。だってこの世界を牛耳ってる存在なんだもん。
夫婦漫才の印象しかなかったからちょっと見直したぜ。
「ん、ってことはここにいる奴全員メガネくんの配下にしていいってことだよな? あ、そうだ。一応天狗の集落の奴らも配下にしておくか、メガネくんの」
これで三妖の内二体をメガネくんの手中に収めていることになる。普通に考えたら三妖のもう一体くらい余裕で倒せそうなくらいの戦力は整いつつあると思う。だが、何故か一抹の不安というか、黒い小さなノイズのようなものが俺の心の中を這いずり回っている。
もっと万全の体制を整えた方がいいのかもしれない。
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良かったー今日サボると長引きそうな予感がしてたので良かったです!
妖編ももう少しで終わりそう!(とは言ってもここからが長そうですが
これからも引き続き応援お願いします!!
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