第1065話 ストーンのモニュメント


「石碑……?」


 言われてみると、そこにはちょっとした石碑が建てられていた。そこには何やら書いてあったが言語は当然のように日本語では無かった。


「おい、これはなんだ?」


「恐らく、妖を封印したものじゃろうな。手に負えなくなった妖を封印すると言うのは昔からあることじゃ。妖を完全に滅するというのは難儀なことじゃからのう。かくいう我も封印されていたのだがな」


 と、大天狗が説明してくれた。流石に三妖なだけのことはあるな。他の二人のメンバーを知らないのはどうかと思うが、こう言う時に教えてくれるのは有り難い。


「ふーん、封印されてるのか。じゃあめっちゃ強い妖がいるかもしれないってことだな。この封印ってどうやって解くんだ?」


「封印は術者にしか解くことはできん。じゃが、封印を破壊することならば、誰にでもできるじゃろうな」


 そう言って大天狗はニヤリと笑った。そして、何故石碑のことについて詳しいのかが分かったような気がした。


 ドゴンッ


 俺は思いっきり石碑を蹴り飛ばした。すると、何やら禍々しいオーラが立ち込めてきた。どうやらガチで妖が封印されていたみたいだな。さて、どんな奴が出てくるんだ?


「ヒャーーッ、ハッハー! この鎌鼬様を封印から解き放つなんて馬鹿な輩がいたもんだな! 久しぶりのシャバは空気が旨いぜー! さーて、と、俺様を解放したお馬鹿な奴を頂くとしますか! どれどれ?」


 自らを鎌鼬と名乗った妖は俺らを見るなり、言葉を失ってしまった。それだけでなく、何故か顔から血の気がサーッと引いていった。


「え、ちょ、なんで大天狗様と土蜘蛛がいるんだ? へ、人間もちょっと何がどうなって……」


 バタッ


 鎌鼬が倒れてしまった。


「え、お前ら何かしたのか?」


 何もしていないという土蜘蛛に対し、明らかに泳いだ目で、


「い、いや儂は何もしておらぬぞ? ただ、馬鹿馬鹿と言われたから神通力を使っただけじゃ」


 と、大天狗が白状した。


 おい、ゴリゴリに何かしてんじゃねーか。ってか、神通力って妖力持っている奴には本当にチートなくらい強いんだな。というかもはや不可能だろ、これ。俺でも妖力を持ってたら勝てるか怪しかったんじゃないか? 


「お前、ってただのジジイじゃなくてガチの三妖だったんだな」


「ふんっ、何を今更。相手がお主でなければ決して遅れは取らぬわい」


 大天狗がいつもより鼻を更に高くしてそういった。メガネくんに妖力を押し付けて正解だったな。


 それにしても鎌鼬も可哀想だな。何もさせてもらえずに倒されるなんてな。俺としてもコイツがどれくらい使えるのから見た上で倒したかったところだぜ。


「あ、そうだ。これみたいな石碑はまだまだあるよな? よし、じゃあ大天狗と土蜘蛛お前ら二人で石碑をたくさん見つけてたくさん妖を連れてこい。多かった奴に褒美をやろう、そして勝った方が上ということを正式に認めてやるぞ」


「ほ、本当かっ!?」


「貴様、二言はないな?」


 よし、想像通りの食いつきだな。この調子なら大丈夫そうだな。三妖と戦う前にとりあえず妖力をゲットしておこう。大天狗並の妖が後二人もいるんだから妖力を貯めれるだけ貯めておいても損はないだろう。


「よし、この世界の石碑を全てぶっ壊せ」









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ちょっと難しくて、ちょっと休憩して、遅れちゃいました。まあ、まだロスタイム中ですよね?(アディショナルタイムと言え

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