第1018話 予想の外な出来事
あ、そうだった。俺はデトに触媒を渡す為にここに呼んだった。
それなのに、放射能のせいであんな羽目になったのか……以前にNPCの強化をしていなかったらあわや殺してしまうところだったぞ。
まあ、一命を取り留めたことだし、この件についてはもう良いだろう。どうせいくら考えても結局俺が悪いのだから。
『デト、済まなかったな。今のはちょっとした事故なんだ。本題はあるものをお前に渡そうと思ってな』 『い、今のが事故……!? 畏まりました』
『これはきっとお前の毒を強化してくれるはずだ。【強制進化】」
俺は先ほど作った触媒を供物にデトックスを強化した。
『従魔:デトックスがダークアポストルヴェフィトタートル、個体名:デトックスがDAレディオポイズンタートルに進化しました』
……ちょっと種族名長すぎじゃね? もう今回からダークアポストルがDAに略さちゃってるじゃん。
まあコレに関しても無闇矢鱈に強制進化させまくったせいだよな。そもそも強制ってついてるんだからそんなに何度も行われることを想定されてはないのかもしれない。
選定もそうだが何事もやり過ぎは良くないんだな。
ん、そういえばレディオポイズンってどういう意味だ? 触媒ってレディオっていうのか?
『デトー、何が変わったか?』
『ど、どうやら不可視の毒を扱えるようになったみたいです……』
「は!?」
不可視の毒? 何だよソレただのチートじゃねーか。もしかして放射能の能力も取り入れたってことなのか?
『ちょ、ちょっと一瞬毒を出してみてくれないか?』
『かしこまりました』
「『……』」
『出してる?』
『出しております』
こ、コレはエグいな。だって毒ガスみたいな次元じゃなくて完全に見えないんだぞ? 毒ガスはほら何となく分かるけどコレはやばい。気づいた時にはもう時既に遅しの状態だ。
ってかこんなん避けられる人いるのか? 俺だってこれを感知して避けろって言われたらかなりキツい。毒無効があるから何とかなるが、無かったら確実にやられてた。
これを使えるのがウチの従魔で良かったー。
よし、これからは従魔にも裏切られないようにしないとな。システム的にほぼ不可能だろうが、気持ちよく過ごしてもらうことはできるはずだ。
それにNPCと同じように好感度があるとして、それが一定ラインを下回ったら叛逆、みたいなことも普通にありそうだ。
ピロン
改めて従魔へよ接し方を考えようとしたその時、突如として通知が脳内で鳴り響いた。
あれ、何かイベントでも起きるのか? と思ったが、どうやら俺に対するメッセージが届いたみたいだ。
……メッセージ!?
ちょっと待て、俺にメッセージを送る奴なんているか? 唯一考えられるのはメガネくんだが、それなら直接言えば良いだけだ。
後はクランの可能性もあるか。でも、最近は全然交流してないし、急に連絡を寄越す理由も見当たらない。もしかして俺が魔王ってバレた?
い、いや待て。ここでアレコレ考えた所でどうしようもない。メッセージを開けばそれで済む筈だ。
俺は恐る恐る開くとそこには……
「ゲームに関するインタビューについて!?」
運営様からのお達しだった。
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