第1016話 種無し爆弾
よし、死ぬか。俺にはまだまだ死が足りない。
魔物プレイヤーたちにあげたSPについて、全く後悔していないが冷静に考えたら彼らが裏切らないという保証はどこにもない。
それに、普通に人間が俺たちに分からないように紛れていてその恩恵を受けているかもしれない。古代の戦争では両陣営に自分の親族を配置することで両対応を図る、っていうのは結構あるあるだったらしいし、それが普通に行われていてもおかしくないのだ。
それに、今俺が魔王国の王なのは俺が魔王で一番強いからだ。この強さが失われて仕舞えば誰もが俺の座を狙うことだろう。それだけは避けなければならない。
別に俺一人がやられる分には一向に構わないが、俺には守るべき配下がいる。俺がやられるということは彼らもやられるということだ。気を引き締めて死のう。
「よし、」
今回の死に使うのは、人間対魔物の時にも使ったあの爆弾だ。今の俺は敵が放射能を使用してきた時に対応する術を持っていない。それに放射能は目に見えない、対策に対策を重ねておいても損はないはずだ。
俺は殲爆魔法を使って爆弾を生み出した。以前のように威力マックスで行くと普通に地形が変わるしこの城も無くなっちゃうから、威力は極力下げて……
「え、ゼロ!?」
おいおい、威力ゼロにできるのかよ。これってもう爆弾でもなんでもないぞ? これに核分裂するように設定してっと。もはやこれはなんなんだろうな、威力がない核分裂するだけの爆弾って。ってか爆弾じゃねーだろ。
だが、まあ今の俺にはピッタリの代物だ。なんせ、欲しい要素だけが備わっているからな。
「【殲爆魔法】」
俺は自室で爆弾を爆発させた。
だが、何事も起きなかった。そりゃそうだ、威力ゼロなんだから。だが、確実に状態異常にはかかっているようだ。ステータスがソレを示している。
だが、思ったよりも時間がかかりそうだな。暇だからなんかスキルでも作っておくか。折角なら、反応を早めるようなスキルを作れば一石二鳥だな。
「【仙術】、技生成」
ーーースキル【触媒】を獲得しました。
【触媒】‥対象に付与させることで反応を促進させる。
よし、良い感じのを作る事ができたな。ただ、これは俺よりも状態異常を専門に扱うデトックスにあげた方がいいかもしれない。
これが終わったら付与しにいくか。
だが、取り敢えずは俺に、
「【触媒】」
あ、あれ? なんだか体に力が入らない。それになんだか気分も悪いな。HPもゴリゴリ削られ…
死んだ。
「ふぅ、」
先程までの不快感が一気にクリアになった。それにしてもゲームの世界でこれってことは、完全再現はしてないだろうから、現実はもっと激しいんだろうな。
俺はその後も繰り返し死にまくった。
そして遂に、
ーーースキル【放射能無効】を獲得しました。
【放射能無効】‥粒子によるダメージを無効にする。
キタ! ん、でも放射能無効なのか? 俺はてっきり放射無効とか思っていたのだが。でも確かに放射無効だと意味不明か。
よし、コレで取り敢えずはオッケーだな。じゃあデト呼ぶか。
『デトー』
あ、ちょっと待て。呼び出して気がついたんだが、もしかしてコレって不味くね?
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放射能で死んでる主人公を見た運営の反応はこちらになります
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