第1011話 SPとステ振り
SP、かー。今までは修羅の道に必要な分が溜まったら自動的に天の声さんから提案してきてくれたもんな。それ以外の使い方なんて分からない。
それにしてもSPカンストって……本来ならこれが全部ステータスに使われるんだろ? ん、ってことは普通に使っても全体として千以上はステータスが上がるってわけか。それもアリだな。
でもなー、どうせ死んでもステータスが上がるというのにわざわざSPを消費するのはナンセンスに思える。俺自身が勿体無い症候群に陥っているだけかも知れないが、使用期限があるわけでもないからじっくりと他の使い道を考えたい。
きっと何処かに使い道はあるはずだ。
ん、ちょっと待てよ。ステータスが千も上がるってことは俺のレベルの標準的なステータスよりも下回っているんじゃないか?
うん、それはちょっと不味いな。今回、魔王国にプレイヤーたちが攻めてきたように、これからどんどんとプレイヤーたちと戦う場面が増えてくるだろう。そうなったときに、単純にステータスの差で負けるのはなんとしてでも避けたい。
それに俺はすぐに上げれるのに上げてなかった、という理由で、負けるのはなおのこと嫌だ。SPの消費も大事だがやはりそれ以上にステータスだな。目標は全部のステータスを千以上あげること、だな。
よし、そうと決まれば早速実行しよう。そういえば、やってみたかった死に方があるんだよな。
『おーい、ゾムーちょっといいか〜?』
俺はゾムを呼び出した。そして、
『ゾム、俺を食うことってできるか?』
そう言った。そう、今回の死に方は腐敗だ。正確にはどのような死に方になるのかは分からないが、ゾンビでもあるゾムに喰われればまず間違いなく腐敗できるだろう。
そして自分の従魔にこんなことをさせるのはどうかと思うが、ゾムはその点少し特別だ。自我が薄いからそんなに忌避感も持たずに済んでくれると思う。
後は最後の仕上げをして、っと。
「【封印】」
俺は全てのスキルと称号を封印した。そしてゾムにニュルりと捕食された。
食べられた後はまるでウォータースライダーの中にいるような感覚だた。終わりなきジェットコースターに乗せられている気分とでも言おうか、絶えずぐるぐるとさせられている気分だったのだ。
そして徐々に体の末端の方から消化されていくのが分かる。自分の存在を徐々にかき消されているような、そんな感じだ。ただ、物凄く痛い。あと息が苦しい。やべ、水じゃなくてゾム飲んでしまった。意外と葛餅みたいな感じで美味しいな。あっ、
死んだ。なんだか久しぶりに窒息で死んだな。ってか、窒息死じゃダメだろ、これじゃあなんでゾム呼んだか分からねーじゃん。
流石にそもそも全部封印はやりすぎた。必要最低限のスキルと称号だけを消せばよかったのだ。俺は再び装備を整え、再びゾムの口にダイブした。
今回は窒息無効に痛覚無効まであるから、非常に快適なウォータースライダーだった。しかも何故か体の端っこから消えていくのが今回は面白い。
新鮮な経験でまるで自分が電脳世界に送信されているような気分だ。ま、もう既に
でも、最後に頭だけが残った時は早く殺して欲しかったな。
ーーースキル【分解無効】を獲得しました。
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