第1012話 選定のデメリット
ん、分解無効? 俺はてっきり腐敗だと思っていたのだが、もしかしてゾムは俺を分解してたのか? 魔王を分解するとはなかなかやるな。
そうだ、本来の目的だったステータスは……お、良い感じだな。でも、全部を千以上あげるのにはまだまだって感じだ。以外と今ので五十回くらいしか死んでないのか。
スキルと称号がゲットし易くなってるのも考えものだな。とりあえずプラス値五百以上を目指したい。そうなると、まだまだ死なないとだなー……
『へ、陛下大変です! 人間プレイヤーの抵抗が思っているよりも激しいです! どうやらどんどんと人員が追加されているようです!』
なに、それは不味いな。だが、俺が手を出すのも興醒めだよな。なんとか、魔物プレイヤーの士気を上げたい。
ただ、もう既に褒美をやるとは言っちゃってるからなー。飴の次は鞭なのだろうが、流石に魔王から鞭打たれるのはキツくないか?
会社で言ったら直属の上司じゃなくて社長に直接喝を入れられるってことだろ?
それは嫌だな。
他に何か戦場の魔物プレイヤー達の士気を上げる方法はないか? ……あ、そうだ、
「神風」
そうだ神風があるじゃないか。日本にも何度か吹いて、それによって敵襲を跳ね除けたことがあるはずだ。それを人為的に起こせばいい。
まあ、流石に風を吹かせるほどの力は無いが、爆撃くらいなら可能だ。ついでに俺も死ぬことができればちょうど良い。
そういえばまだあのスキルは使ってなかったな。
『メガネくん、戦場に何かが起きるかもしれないが気にしないでくれ。むしろ、その勢いに乗って魔物達に頑張ってほしい』
『は、はい? わ、分かりました』
よし、これで取り敢えずは大丈夫だろう。後は、空に行きたいんだが、俺には時間歩行しか無くなってしまったのだが、あれでは少々目立ってしまう。
なんでもかんでも選定すれば良いって訳じゃ無いのが分かるな。
『ハーゲン! ちょっと上まで連れて行ってくれるか?』
ま、ハーゲンがいるから大丈夫なんだけどな。遠目で見たらハーゲンもただの鳥だ。
『よーし、ここら辺でいいぞー』
上空にたどり着いた俺は、戦場となっている場所を確認した。
えーっと、コッチが魔物であっちがプレイヤーだな。じゃあ、ハーゲンもうちょっとコッチコッチ、よしオッケー、じゃあいきますか!
「【殲爆魔法】」
この魔法は自由に爆弾の設定を変えられるから、威力を最大限にしてある。それと俺が死ねるように放射能も搭載してある。殺意はマシマシだ。
そもそも
そんな訳で俺は結構大きめな爆弾を生成し、それを抱えたままハーゲンから身を投げた。
そう、これこそが完全人力型爆撃というわけだ。俺が抱えているから空中での操作もバッチ
あれ、そういえば俺スキルとか全部統合されて時間歩行しかなかったんだよな? あれ? ってか、時間歩行すらまだ使い慣れていないし……
ちょ、ちょっと風吹くな! 空気抵抗もやめろ! おい、ズレてるズレてる! あっ、あぁ……
ッドッガーーーーン!!
俺は戦場のど真ん中で爆散した。
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