第1009話 テンゼツノツルギ
扉を開けると、そこに待っていたのはやはり以前戦った親王のオーラを持つ、悪魔だった。
「ほう、人間が我の前に姿を見せるとはな。死にに来たのか?」
開口一番、親王の悪魔はそう言った。確かに、殺してくれるのならば殺して欲しいくらいだが、また一から悪魔城を攻略するのも面倒臭いので遠慮しておこう。
そんなことよりも、俺はこの親王悪魔を倒せるか否か、それが重要だ。前回戦った時は霊体改編というある種のズルをして勝った、というよりも相手の存在を消しただけだ。
今回はあの時よりも更に強くなっているだろうし、スキルの選定もした。俺の強さが如何程のものなのか、試させてもらおう。
「人間の寿命は短い、何故そうも生き急ぐのだ?」
みんなやりたいこととか、叶えたいことがあるんじゃないか? 後は単純に暇つぶし? 人生って何もしなかったら意外と暇だからな。悠久の時を生きる悪魔には分からないのだろう。
「死ねば全て失うのだろう?」
だから死ぬまで一生懸命生きるんだろうが。ってか、さっきからこの悪魔は何をつらつらと喋ってるんだ? いかないならこっちから行かせてもらうぞ?
「【天絶之剣】」
俺は剣を上段に構え、一気に振り下ろした。
「え?」
「ん?」
その言葉がそれぞれどちらから発せられたか理解することができなかった。何故なら、俺の剣が敵を真っ二つにしたからだ。
……ちょっと待て。ツヨクネ? ツヨスギジャネ?
親王悪魔を一刀両断って、それ合法的にオッケーなの? 俺、この後捕まったりしない? 最大ダメージ超過の罪、みたいな感じで。
『レベルアップしました』
あ、本当に倒したみたいだ。悪魔が俺に幻影を見せている可能性も一応考えてみたものの、ちゃんと死んでた。なんでだろう。なんで無事倒せたのに不安が襲ってくるんだろうか。これじゃあまるで俺が悪魔みたいじゃ……
いや、俺は魔王だ。魔王なのだからこのくらいは許されるだろう、うん。もし問題になったらきっと運営さんがなんとかしてくれるはずだ。だって僕はただのプレイヤーでただ普通に遊んでいただけなのだから。
あ、そういえばレベル上がってたよな。最近、全然ステータスなんて気にしてなかったから久しぶりにちゃんと見てみるか。
▪︎ライト Lv.297
第一職業:破戒僧
第二職業:毒殺料理人
HP 10/10
MP ∞/∞
STR:1(+301)
INT:1(+301)
AGI:1(+301)
DEX:1(+301)
VIT:1(+309)
LUK:1(+305)
スキル:【藕断糸連】【乾坤一擲】【貫通】【怒髪衝天】【麻痺の魔眼】【無限魔力】【召喚】【龍宿】【パキケファロ頭突き】【人魔一体】【仙術】【死骸魔術】【魔王勅命】【攻贖他愛】【監視統率】【鴉狼一夜】【再生の焔】【蒼火】【憤怒】【獄門橋】【封印】【石化の魔眼】【重体渋滞】【獄絡饒駑】【霊体改編】【天絶之剣】【殲爆魔法】【無彩魔法】【万能細胞】【級水支配】【悠久之盾】【超能力】【武神之構】【鏖禍嵐蔓】【時間歩行】【死之宣告】【全知全眼】【我霞故我】【血契遵守】【運之指弾】【怪光砕心】【皇鵝襲刃】【原初之体】【狂愛開花】
無効スキル: 【乾燥無効】【窒息無効】【空腹無効】【麻痺無効】【隠蔽無効】【腐蝕無効】【泥雪無効】【疫病耐性】【吸収無効】【劇毒無効】【錯乱無効】【恐慌無効】【幻覚無効】【自失無効】【渇水無効】【痛覚無効】【感染無効】【即死無効】【遅延無効】【呪術無効】【溶解無効】【壊毒無効】【嘔吐無効】【爆音無効】【寄生無効】【ブレス無効】【欠損無効】【悪臭無効】【失明無効】【物理無効】【洗脳無効】【神明無効】
称号:《無謀なる者》《ホーンラビットの憐み》《博愛主義》《湖底の探索者》《龍の討伐者》《龍神の祝福》《不屈の精神》《炎の使い手》《断頭者》《千の屍を超えし者》《帝王の討伐者》《ゾンビアタッカー》《死を齎す者》《秘境探検家》《爆炎の支配者》《無慈悲なる者》《悪魔を見し者》《悪魔の討伐者》《仙人を目指す者》《蜘蛛之王》《解剖者》《磔刑者》《蟻の天敵》《薬物乱用者》《魔物の支配者》《屍喰らい》《壊滅王》《爆弾魔》《竜殺者》《踏破者》《吸血鬼》《裏切り者》《克己者》《爆炎の使徒》《頂点に立つ者》《暗殺者》《世界図録》《飽くなき料理魂》《食への感謝》《上級料理人》《料理人の真髄》《気高き料理人》《毒殺婆の後継者》《蠱毒の観察者》《迷宮を見つけし者》《迷宮を開拓する者》《茸仙人》《山住人》《狂乱の戦士》《自壊者》《剛身》《天誅者》《曹長》《救世主》《金穿大工》《カリスマ教官》《辿着者》《骸使い》《生みの親》《マッドサイエンティスト》《狂犯者》《堕とす者》《山菜採り》《悪魔城第一発見者》《招かれざる客》《怒り狂う者》《叛逆者》
SP:999+
▪︎装備
左:悪魔の脇差
右:ー
頭:悪魔の冠
胴:悪魔の単
腕:悪魔の袖
腰:悪魔の帯
足:悪魔の袴
「はぁ!?」
ちょっ、ちょっと待て。おいおい、これどこから突っ込めばいいんだ? まず、なんだこのスキルポイントの量は! カンストしてるのか? それに、
『へ、陛下! 大変です! どうやら魔王国の住民が騒ぎを起こしているようです! 一旦お城へお戻りいただけないでしょうか!』
色々ちょっと待て。俺を落ち着かせてくれ。なんなら俺は親王を倒したらへんからずっとフワフワしちゃってるんだ。でも、行かなきゃだよなぁ。
「【時間歩行】」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます