死にたがりが逝く！〜ステータスを振らない男の無双譚〜

第1003話 裏技解禁

　もう既にかなりの数のスキルを選定してきたが、これからは俺が密かに企んでいた裏技を使っていこうと思う。それは、仙術の使用だ。

　仙術は自ら新たにスキルを作ることができる。それを使って選定の質をより高めていこうというわけだ。

　例えば、この水中適応と水操作という二つのスキルを選定するとしよう。この二つは水という共通点があり、相性は悪くないように思える。だが、この二つだけだとどこか物足りない。こういう時に、

「【仙術】、技生成」

ーーースキル【大津波】を獲得しました。

　という感じでスキルを作り、これと一緒に融合させるって塩梅だ。

「【水中適応】、【水操作】、【大津波】の三つのスキルが統合されます」

ーーースキル【級水支配】を獲得しました。

【級水支配】‥この世界に存在する水分を操る。収束、発散させることで自在に現象を具現化できる。

　うん、上手く行ったみたいだな。それにしても効果だけ読んでみると本当に強くなったのか、と疑問に思わずにはいられないな。パッと見水操作と変わらないだろ。

　でも、水じゃなくて級水だから……級水ってどういう意味なんだ？　ま、後で検証しよう。

　よし、じゃあ次は防御スキルでも作ってみよう。特殊な環境で育成してきたからか、俺には防御という考えが欠落してしまっているのだが、もしも自分の体では対応できない敵が現れた時の為に防御系スキルがあってもいいかもしれない。

　それこそ、天使の時みたいな初見殺しをプレイヤーにされるかもしれない。魔王としてプレイヤーと対峙するときは絶対に死ねないから、セーフティネットとして一つくらい持っていても損は無いはずだ。

　適当に、仙術で技を作って、っと、

「【超持久】、【超反応】、【精神防御】、【まもる】、【パリィ】、【タワーシールド】の六つのスキルが統合されます」

ーーースキル【悠久之盾】を獲得しました。

【悠久之盾】‥過去から未来へと紡がれる盾。無限にも等しい時の流れの前ではいかなる攻撃も意味をなさない。

　……なんか思ってたのと違う。圧倒的な持久力と反応速度で敵の攻撃を全部防御する、みたいなのを創造していたんだが真逆じゃん。精神防御を入れたのが間違いだったか？　うん、考えても仕方ない、切り替えて次行くか。

　次はちょっと無理やりになるんだが、あれを作ろうと思う。

「【仙術】、技生成」「【仙術】、技生成」「【仙術】、技生成」「【仙術】、技生成」・・・

「【サイコキネシス】、【テレパシー】、【テレポート】、【透視】、【サイコメトリー】、【パイロキネシス】・・・の複数個のスキルが統合されます」

ーーースキル【超能力】を獲得しました。

【超能力】‥尋常ならざる者の力。自然の理を超え、自然を操ることができる。

　よし、これは想像通りだな。技生成で俺が知っている限りの超能力を生み出し、選定した。もう多すぎて天の声が軽くバグってしまってる。

　なんか申し訳ないけど、これが自然の理を越えるってことか？　……違うか。