第1002話 選定ラッシュ


 よしじゃあ早速選定を始めていこう。もうここには何度も来ているし、選定おじさんとも仲良いからな。顔パスでいけるのだ。


 それにしてもここの存在はまだバレてないのか? 良い加減誰かが気付いてもおかしくなさそうなもんだが……ま、俺の気にすることじゃねーな。


「今日はどうする? 私に任せるかそれとも自分でやるか?」


「自分でやらせてください」


「心得た。では選定するスキルが決まったら私に言ってくれ」


 よし、じゃあまずは近頃思っていたことを解決するか。俺のスキル欄を見ると刀に関するスキルが多いんだよな。それを先ずは統合させる。


「【不動之刀】、【天叢雲剣】、【断罪絶刀】この三つでお願いします」


 どれも俺のエース級のスキルではあるが、これらを全て合わせて一つにすることで更なる高みを目指すのだ。まあ、実の所、どれを使っても相手を倒せるから一つにまとめたかった、ってのはあるんだよな。


「ほう、面白い組み合わせだな。ではいくぞ?」


「【不動之刀】、【天叢雲剣】、【断罪絶刀】の三つのスキルが統合されます」



ーーースキル【天絶之剣】を獲得しました。


【天絶之剣】‥天を絶つ最強の剣。上段斬りによってのみ放つことができる。天をも断つその剣はもはや何にも止められない。


 おー、これはまた物騒なスキルが出来上がってしまったな。何故か上段斬りのみという制約が生まれてしまったんだが、これがあることによって飛躍的に威力が上昇するんだろうな。だって、不動之刀の条件がこれに変わったようなもんだからな。


 うん、これは割とチート級かもしれない。


 というわけで、作ってしまったものは置いといて早速次に移ろう。次は、コイツとコイツだ。


「【爆虐魔法】、【マテリアルボム】の二つのスキルが統合されます」


ーーースキル【殲爆魔法】を獲得しました。


【殲爆魔法】‥全てを無に帰す爆弾の魔法。最小のエネルギーで最大の爆発を齎す。目的に応じて自由に威力、範囲、特性をカスタム可能。


 おー、良い感じだな。この二つはずっと前から融合させてみたかったんだよな。しっかりと強そうになってくれて満足だ。それにしても最初は爆炎魔法とかだったのにどんどんと爆弾要素が強くなっていくな。今となってはもう爆すらも頭から追いやられてしまってる。


 うし、次は比較的最近の組み合わせでいこう。


「【暗黒魔法】、【白明魔法】の二つのスキルが統合されます」


ーーースキル【無彩魔法】を獲得しました。


【無彩魔法】‥光と闇を司る魔法。混沌は全て終焉へと収束する。



 ……ん、なんかちょっと説明の雰囲気が違いません? それになんだか強そうすぎません? 大丈夫、なのかな? よし、今はもう何も考えずに選定を進めちゃおう。気にしたら負けだ。


 ちゃっちゃと進めていこう。


「【悪衣悪食】、【血液不要】、【塩分不要】の三つのスキルを統合します」


ーーースキル【万能細胞】を獲得しました。


【万能細胞】‥万能な細胞を手に入れる。あらゆる物質からエネルギーを補給し体を構築する。



 あれ、なんかどんどん人間から遠ざかっているような……というかもう只の化物では無いでしょうか。


 折角、裏技を使おうと思ってたのに手持ちのスキルだけでも十分すぎるほどの成果だな。だが、今回はとことん選定するぞ。ちょっとやってまた溢れて選定して、っていうのを繰り返すくらいなら、今回の選定でベストメンバーを決めるくらいの覚悟で臨む。

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