第1001話 予襲復讐(別視点)

最初は誰か視点でその後、メガネくん視点です。

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「はぁ、君はなんでも持っているんだね。力を手に入れ、名誉も何もかも全て! そして居なくなった。僕を置いて。君は一体どこにいるんだい?


ーーースキル【嫉妬】を獲得しました。


【嫉妬】‥任意の対象を選択し、周囲の人間にその対象を攻撃させる。また、他の七大罪スキルの所有者を知ることができる。


「あぁ、ほら神も僕に言っているよ、君に会いなさいって。一体君はどこにいるんだい? 本当にこの世界から消えてしまったのかい? もしかして君も……【嫉妬】」


『七大罪スキルの所有者は……です』


「なんとっ! 君も持っているのかい? あぁ、そして君はまだこの世界にいるんだね? あぁ、それだけでも十分だよ! そして君は恐らく強欲なのだろう? ならばそうだ、公開しよう。そうすれば君は必ずやってくる。僕がいくら探しても見つけられなかった君は必ず僕の前にやってくる! そしてその時が君の最後だ」


 男は一人、暗闇でニヤリと狂ったような笑みを咲かせた。



 ❇︎❇︎❇︎



「ふぅー」


 疲れたー。今日もとりあえずなんとか課題を終わらせることができた。ウチは公立のなんちゃって進学校だから無駄に課題も多いんだよな。


 それでも行きたい大学に行く為には仕方ない。毎日の授業をしっかりと受けて課題、そして予習復習を欠かしてはダメだ。


 そんな僕の唯一の息抜きが最近流行りのVRMMOだ。クラスでも結構な人数が僕と同じゲームをしているみたいだけど、学校が忙しいから勉強が疎かになるか、ゲームを軽くエンジョイするかの二択になっていることがほとんどのようだ。


 学校とゲームの両立は本当にしんどいんだけど、だからこそやりがいがあるし、楽しい。


 それに、みんなまさか僕が魔王の手下だとは思っても居ないんだろう。それが僕の唯一の自慢だ。魔王様は本当に良い人ですごい人なんだけど、みんなはそれを知らないと思うと、少しだけ優越感に浸れる。


 感じが悪いのは重々承知だけど、これくらいは許して欲しい。


 でも、そんな魔王様だけど最近一つ気になることがある。それは七つの大罪スキルのことだ。


 先日、嫉妬持ちのプレイヤーが現れた時に、魔王様はそんなに反応を示さなかった。それは確かに魔王様自身がそのうちの一つ、憤怒を持っているから、というのもあるんだろうけど、何故か不自然なくらいに興味を示さなかったように思える。


 まあ、教会を建てることで忙しかった、ってのもあるかもしれないけど。


 でも、僕としては七つの大罪スキルは最強スキルだと思ってるから、魔王様に全部とは言わないまでもなるべく多くのスキルをゲットして欲しいんだよな。


 魔王様が七つの大罪にそれほど執着していないのには何か理由があるんだろうか?


「うーん」


 魔王様の考えてることが僕なんかに分かるわけないよなー。よし、僕には僕のできることをしよう。もしかしたら魔王様が興味を持つかもしれないから、いつでも対応できるようにリサーチを続けることと、七大美徳は欲しくなるかもしれないから、その存在を含めて調査だな。


 よし、今日も一日頑張るぞー!

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