第1000話 限界突破


「はぁ、全くこれで何度目ですか一体。何度立ち向かおうとも結果は変わりませんよ。ここで散る、それが貴方の限界です」


 長らく俺の相手をしてくれた天使も相当疲れた様子だった。それもそのはず、最初の数回はまだしもその後延々と俺がやってきたから、常に警戒する必要があり向こうとしても休まる暇がなかったのだろう。


 そして何百回と見た、後光のように配置され発射された光の弾丸を俺は体で受け止めた。


 ふふっ、俺は神明によるダメージが無効なんだぜ? あまり甘く見てもらっちゃあ、困るな。


「何っ!? どうしてそこに立っていられるのですか?」


「そりゃ限界突破をしたからに決まってるだろーが」


「限界突破?」


「自分の限界は人に決められるもんじゃねーからな。というわけで、じゃ今までお疲れ様でした」


「なっ!?」


「【天叢雲剣】」


 まさしく敵を一刀両断にして俺は楽上庭園を後にした。神様について色々学ぼうと思いここに来たのだったが、思わぬ収穫があったな。それに、神の全能感も、傲慢な態度も理解することができたから、それをどう使うかは置いといても良い攻略だった。


 次は確実に楽上庭園を落とす。天使全員滅ぼして神に刃を立てて、俺がちゃんと神になるのだ。


 ❇︎


 俺は楽上庭園を後にしたその足で研究所へと向かい心臓からスキルを抽出した。今回得られたスキルは、俺に耐性を与えてくれた攻撃である、【白明魔法】そして俺に神のような全能感を与えてくれた天使の軍、あれを召喚するスキルである、【全軍召喚】、この二つだった。


 もう一つ空中都市の門番だった心臓からは【透明化】というスキルを入手した。効果は任意の物体を透明にするというものだ。


 これは折角だから堕天使ずにあげようと思う。三人で頑張って倒したものだし、スキルとしても相性がかなり良いはずだ。いくつかの触手を透明にして紛れさせればかなり凶悪な武器となりうるだろう。


 色々な特性を付与できる触手と透明化のスキルの相性はかなり良いはずだ。あいつらならきっと使いこなしてくれるだろう。


 そして、まだまだ俺の寄り道は終わらない。研究所の帰りに俺は選定所へと向かった。今回の戦いでスキルの多さが非常に目立ったからある程度の整理を行いたいのだ。


 沢山の武器があることはいいことだとは思うが、それを全て使いこなさなければ意味はないと思う。それに、十種類の同じ強さの武器があるよりも、それらの十倍のたった一つの武器の方が強いし、使えると思う。


 まあこれは極端な例で、実際そうなると相性不利を取られた時にどうするんだって話もあるから現実的に幾らかのスキルをまとめることで強化を図るつもりだ。


 そして今回はある裏技、いやただのズルをしようと思っている。









——————————————————

えー、この拙作もとうとう1000話という大台に達してしまいました。

実際は一話あたりの文字数が少ないのであれですが、それでもここまで続けてこれたのは単に皆様がここまで読んでくださったおかげです。本当にいつもありがとうございます!


これからももっと皆様を楽しませられるような物語を紡いでいけたら思いますので、引き続き応援のほどよろしくお願いしますm(_ _)m


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