第996話 無双魔王
俺が楽上庭園へダークマターをぶつけると、天使側は何事も無かったかのようにワラワラと兵を投入してきた。
ここからは乱戦というわけか。正直言うと実はそっちの方が好みなんだよな。天使どもも分かってるじゃねーか。
まずは一旦敵兵を確認する。直剣に盾、両直剣、槍に盾、敵の装備は主にこの三パターンのようだ。ならば俺も武器を装備させてもらおうか。
俺は装備を整え、天使達の前に姿を現した。今回は完全魔王武装だ。地獄で作ってもらった炎魔の鎧に同じく地獄産のハルバードを構えるとなんとも言えない昂揚感が押し寄せてくる。まるで自分がゲームの主人公にでもなった気分だ。
あ、いやどちらかといえばラスボスか。まあ、いい。どうせラスボスならば派手に行きますか!
「【
このスキルは確か相手のSTRとAGIを大幅に下げる、みたいな効果だったはずだ。そう、これで俺は実質無双ゲーの主人公になることができた。と言うわけで、
「大回転斬り!」
ハルバードを構え敵陣のど真ん中に突っ込み、自分が独楽の中心になったかのように回ると、敵が面白いように斬れた。刃が届かない敵にも衝撃波を与えられたようでかなりの広範囲にダメージを与えられたようだ。
敵が豆腐のように斬れていく感覚は何にも変え難い快感でもあった。
「どりゃー!」
ハルバードを縦に振れば目の前に一筋の道が、
「そいやー!」
はたまた横に振れば俺を中心とした円が、生まれた。
「ふんっ!」
まるで神にでもなったかのような気分だ。これが神、これがゴッド!
俺は無我夢中で武器を振るい続けた。何度も何度も敵が枯れるその瞬間まで、
「……」
あれ、おかしいな。全然敵がいなくならないんだけど。ってかむしろどんどん増えていっているような気がするんですが、気のせいでしょうか?
圧倒的物量の前にさっきまでの道が円が、どんどん狭くなっているように思う。これはきっと見間違いとかじゃ無いはずだ。
背中に一筋の汗を垂らしながらそれでも俺は一心不乱に降り続けた。まるで戦場を操る指揮者のように、ハルバードを振り続けたのだ。そして、
ッダン
「ん?」
矢が飛んできた。しかも普通の矢じゃなくてかなり特大サイズの、それこそ大弓じゃないと撃つことすらできないような、そんな矢が飛んできた。
ッダダダダダダン!
しかも物凄い量。
これ、俺が物理無効を持っているからなんとかなっているけど、普通に考えたら無理ゲーではありませんか? 運営さん。
俺は海の中のウニみたいな状態で只管に敵を屠り続けた。それでも全然減らなかったので、俺は竜になった。
「グルォオオオオオオ!!」
久しぶりにこの姿で暴れますか!
あと、絶対に天使無限湧きは確定だろうからどこかにいるであろうその原因となる奴も探さないとだな。でもまずは暴れよう。思いっきり暴れても文句言われない場所ってあんまりないからな。
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私は竜は西洋風、龍は東洋風という感じで漢字を使い分けております。
皆さんはどうですか?またどちらが好きですか?
私は圧倒的にドラゴンです!()
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