第982話 神になる為に
俺は一先ず現実逃避を敢行し、神官さんを魔王国へと送り届けた。とりあえずここから先は自分の力でできるとこまでやってもらい、何かあれば俺が力を貸す、という感じでいこうと思う。
プレイヤーの味方はこれで二人目だが、一人目のメガネくんと違って神官は自らの意思ではなく、半分成り行きでこちらの陣営になってしまった。
今のところ裏切られる可能性は無いと思いたいが、未来永劫裏切られない保証はどこにも無い。俺としても脅しだげでなくコチラ側に居続けても良いと思えるようなものを提示しないとだな。
「あ、」
そういえばまた名前を聞くのを忘れた。メガネくんの時も名前を聞いてなかったし、俺は人に名前を聞くのが下手なのかもしれない。
一回聞いたことあるような気がするのに未だにメガネくんの名前を覚えていない俺は人の名前を覚える才能もないのだろうな。
まあ、神官くんに関してはこんな感じだな。メガネくんの時と同様これからに期待だ。
そして冒頭に現実逃避をしたクエストに関してだが、俺は一体いくつのエストラクエストを受注しているのだろうか?
もはや普通のクエストよりも多くのエクストラクエストを受けているよな気さえする。
よし、それらに関しては引き続き逃避を続けよう。今は目の前のクエストだけに集中するんだ。今までそうしてこなかったから今の現状があるのだから、これからは真摯にクエストと向き合っていく。
で、今回のクエストだが……
▪︎神への挑戦(1)
・信者を作る(0/100)
・教会を建てる(0/1)
こんな風に書かれていた。クエスト名の隣の数字はまだまだ続くことを示しているんだろうな。はぁ、これは長い道のりになりそうだ。
まあ確かに信者を100人作って教会を建てれば誰でも神になれるのならばそれもはや神じゃ無いだろう。いくら八百万の神が受け入れられてる日本でも神になるのにはハードルがあるものだろう。
よしじゃあ早速クエストに取り掛かるか。信者に関しては神官に任せるとして俺は教会作りを行おうと思う。
……教会って手作りで行けるものなのか?
個人的に教会ってほぼお城みたいなイメージなんだが、流石にあそこまではいかなくていいよな?
フォルムは同じでももっとスケールダウンして、街の広場のシンボル、くらいだよな?
じゃあ材料はどこで調達しようか、とりあえず木材とか釘とかが必要だよな? ん、ゲームだから釘まではいらないか?
じゃあとりあえず木を伐採してこよう。
ハーゲンに乗せてもらって上空から良さそうな木が生えている場所を探す。うん、上からじゃ分かるはずないな。とりあえず木がたくさんある森に下ろしてもらった。
木材の良し悪しなんて俺には分からないからとりあえず伐採して、使ってみて判断しよう。
「スカルボーン、アシュラ、アスカトルそして、堕天使ズ、召喚!」
俺は従魔を召喚した。森林伐採という特殊な作業ということを考慮してこのメンバーになった。なるべく人型の方がやり易いと感じたのと、炎を扱うペレは万が一を考えて外れてもらった。
山火事が起きたら止めるのは大変そうだからな。
「よし、じゃあ只管木を切ってくれ! 切った木はここに持ってくるように! じゃあ散!」
こうして神になるための教会を作るための森林伐採が始まった。
数時間後、森に穴が生まれた。
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あれ、これをギャップと言うんでしたっけ?
まあ何はともあれ主人公が現実世界にいなくてよかったです()
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