第950話 常勝無敗のために


「グ、ギ、ぎざまぁああああああああああ」


 バタっ


 石化無効を獲得し、用済みとなったメデューサをボコボコに殴っていたら、気づけば悪役のようなセリフを吐いて倒れてしまった。メデューサから石化能力を取ったら、残るのはただのおばさんの体だけだからな。仕方ないとも言えるだろう。


 そんなことより、


ーーースキル【石化の魔眼】を獲得しました。


【石化の魔眼】‥任意の相手を見つめた時間に応じて、相手を体の末端から石化させる。またMPを追加で消費することによって、効果を強めることが出来る。


 うん、無事獲得できているな。それに効果も麻痺の魔眼同様、ちゃんと強い。それに、追加で魔力を消費することで効果を高められる、っていうのが俺にぴったりなんだよな。


 よし、じゃあちょっと試し撃ちしてみるか。まだここらには石化の魔眼を探してるプレイヤーがたくさんいるだろうから、始まりの街にでも戻って、っと。


 お、スライムだ。最弱のモンスターだが最弱だからこそ効果も分かりやすいだろう。こいつに結構な魔力を消費して石化の魔眼を使ってみよう。


「【石化の魔眼】!」


 ピシャッ


 その音はよくあるピキピキ、パキパキと言った水が凍っていくような音ではなく、まるで障子を物凄い勢いで閉められたような、そんな音だった。


 スライムが一瞬にしてストーンスライム(死亡)へと変わってしまったのだ。


「……」


 これはー、ちょっとヤバイかもしれない。麻痺とは違って、見た目のインパクトがえげつない。それに、石化してしまったらもうほぼ死んだも同然だからな。麻痺と同様に動けなくなる効果なんだが、ここまで違うとはな。


 いやー、本当に改めて他のプレイヤーに渡さなくて良かったな。これを取られて、しかも石化無効を持っていなかったら、って考えると本当に恐ろしい。


 というか、これからも気を抜けないな。俺が耐性を持っていない他の魔眼も取られてはいけないし、魔眼に限らずどこに俺の死角が転がっているか分からない。


 プレイヤー側はどれか一つを手に入れればいんだろうが、こっちは全部ゲットしないと魔王が負けてしまう。それはなんとしてでも防がないといけない。俺は死んでもいいから魔王は常勝無敗であるべきだろう?


 メガネくんにはとても感謝しているがこれからも引き続き情報収集を頑張ってもらわねばな。


 あ、そうだ。メガネくんのご褒美を考えておかないとな。サプライズで良いものをプレゼントするか、それとも彼に望みのものを聞くか……


 でも遠慮するだろうから、こっちで選んでおくか。んー何しようかなープレゼントって完全にセンス依存だよなー。でもそのステータスは俺の称号じゃ補正されてないんだよなー。


 メガネ、は絶対にこだわりがあるだろうし……


 よし、聞こう。迷っている時間が勿体無いからな!

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