第922話 恫喝嫌悪


「おい、どこに隠れていやがるこのコソ泥が! この状態から逃げ切れると思ってんのか!?」


 これはもう確実にプレイヤーだな。いや、まだNPCの可能性も無くはないだろうがさっきの売ろうとしてた行為と、今の言葉遣いでNPCだったら少しばかり運営の性格が悪いと言えよう。


 それにしてもやけに落ち着いているな、俺。さっきは絶体絶命と思っていたのだが、それにしては焦る自分がどこにも存在していない。これは、どう足掻いても目の前の男に負けることがないと思っているからだろうか?


 改めて目の前の男を確認してみると、背丈は俺より少し高く百八十センチは超えていそうだった。これだけ聞くと手強そうだが、全身から放たれるオーラがなんとも残念な感じなのだ。体型も少しポッチャリしている感じで微妙だし、なんと言っても装備も弱そうだ。


 見た目って案外大事なんだな。まあ、良い装備はお金に換えているっていうのもあるんだろうが、それにしてもオーラが、覇気が足りない。プレイヤーを安全な不意打ちばかりしていたらこうなるのだろうか。これならウチのゴブリンでも倒せそうだ。


 ん、ゴブリン? ……アリだな。


『おーい、今どこにいる? ちょっとゴブリンに用があるんだが、レベル上げの方はどんな感じだ〜?』


 俺は堕天使に連絡をした。まだ、ゴブリンには直通の連絡通路を通していないのだ。信用していないわけではないのだが、俺側の問題としてボロが出そうなのだ。それにわざわざ国民に対して王が連絡先を教えてあげるのも違うだろう?


「おーい、ほ、本当にいないのか? 俺の空耳っていうのか? いーや騙されないさっさと出てこい! 出ないとお前の首根っこ掴んでぶっ殺すぞ!!」


『かなり順調でございます。本人にもかなりやる気があるようで、あくまで本人供述ですが、ただいま七十五レベルとのことです』


 おー、もうそんなにいったのか。って、元のレベルを知らないからこれが無茶苦茶上がってるかは分からないな。ただ、五十レベルはあげろって命令したから大体三十くらいは上がったのかな?


「おいおい、マジでいねーのか? ってことは幽、霊……? ひえっ!」


『ゴブリンに伝えてくれ、レベルを爆上げできそうな狩場があるんだが、興味はあるか、って』


 恐らくだが乗ってくるだろう。レベルを爆上げできると聞いてスルーできる奴なんてゲームしないだろうからな。後はこの組織に人間をどれだけ集められるだが……


 コイツ、何してんだ?


 なんか、滅茶苦茶ビビってるぞ? 今にも泣き出しそうでお漏らししそうな顔になっている。図体は大きいにのどうしたんだ? 好きな人にでも振られたか?


 まあ、そんなことは置いといて、どうにかしてここに組織の人間を集結させたいんだが、、、


「まて、おい待て早まるな! 俺は何もしてない、いいか、何もしてない。だからお前も何もするな。俺はただ口が悪い人間なんだ! 頼むから何もしないでくれ!」


 ん、コイツ何言ってんだ? ってか、俺のこと完全にバレてないか? でもなんかビビってるな、よしこれを利用させてもらおうっと。


「おい、」


「ひゃっ、は、はいっ!」


 よしよしちゃんとビビってるな。俺は姿を隠したまま続ける。


「ここにお前の仲間を全員連れて来い。そうすれば許してやる。分かったな?」


「な、仲間ですか?」


 ッダン!


 適当に床を強く踏み鳴らして脅す。コイツからしたらただのポルターガイストだ。さぞかしビビるだろう。


「うるさい、いいか一時間後にきっちり首を揃えてここに集めろ分かったな?」


「は、はいーっ!!」


 よし、これで大丈夫だな。


『それでゴブリンはなんて言ってた? おーやっぱりそうか。じゃあ城に戻ってくれ、俺も今から向かう。ん? お前らとも一緒に行きたいって? 別にいいけど……』


 あれ、俺もしかして国民第一号に嫌われてる??








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