第899話 政権交代
国家建設? エクストラ大規模クエストだってー?
いやいや、だってまだ国すら持ってないんだぞ? これから国ができた時に後ろ盾になって欲しいと思ってただけで……
あ、だから国家建設なのか。これはよくクエストの概要を見ないといけないかもな。
「む、国ということはお主、何処ぞの国の使者、なのか?」
王様って思われなかったのは俺に雰囲気が足りなかったからだろうか? まあ、これからはもうペコペコする必要も、ない。少しずつオーラを出していけばいいだろう。
まあ、出し方は知らないが。
「いえ、私が国をこれから創るのです」
「何っ!? これから創る、だと? お主国がなんたるかを知っているのか? 我も言えた口ではないが国というのは難しいぞ?」
「えぇ、勿論です。でもそれだけ得られるものは大きいでしょう? だからこそ私も挑戦するんです」
「ふむ、そうか。それで我が国に認めて欲しいということなのだな。だが、報酬としては少し歪な形ではあるな。実質何も失っていないとも取れるし、はたまた大損害を受けるかもしれん」
ほう、NPCにしては賢いな、流石は王様だな。
「だが、私はお主にとても感謝しているのは間違いない。であるからその要求は叶えてやろう。ただし、それは今回の報酬とは関係無しで、だ」
「えっ?」
「報酬にしては不確定すぎるからな。その話はお主が一国の王となり、我と対等な立場となった時、再びしようではないか。その時に我が国の益に繋がると判断した時認めるとしよう」
うん。これは最もな言い分だな。俺は報酬といういわばなんでもアリなチャンスをズルく使おうとしすぎたのかもしれない。ただ、そのおかげで可能性を見出せた。直ぐにどうこうする話ではないが、絶対に国を創ってこの国と国交を樹立しよう。
「分かりました。その時を楽しみにしておきますね」
「あぁ、それで報酬は何にするんだ?」
「え?」
これ、まだ報酬権続いているのか? 今ので終わりだと思ったんだが、思ったよりも太っ腹なんだな。それだけ王にもう一回なれたのが嬉しかったのか? まあ、いいか。もう一回チャンスをくれるのならばそれにしっかり甘えよう。
「では、お言葉に甘えてここにある武器で一番強いものをいただけないでしょうか?」
「うむ、よかろう。では、代々受け継がれて来たこの剣を其方に授けよう。私は一度堕ちた身だ。これを託すことで心機一転新たな出発をしようと思う。まだまだ課題も山積しているからな」
そう言った王様から俺は一振りの剣をもらった。その剣は黄金の輝きを放っていてとても強そうだった。俺はここで確認するなんて無粋な真似をせずに、そのまま別れの挨拶を告げ、退室した。
……よし、というわけで確認しますか! 代々受け継いできた剣ってどんな代物なんだろうな? 国を作るクエストだけじゃなくてこんな物までくれるなんて本当に太っ腹だな! 難しいクエストに挑戦した甲斐があったぜ!
というわけで剣の性能はと言いますと、、
・偽光の聖剣 長剣 上級
国家の権力を示す為に作られた長剣。煌びやかな装飾と眩い光を備えている。職人の技によって丁寧に作られた。この武器は戦闘用ではなく、使用すると壊れてしまう。装備時、王としての威厳は上昇する。
え、ゴミカス性能じゃねーかよ! これが一番強い武器ってあの国大丈夫か?
はぁ、期待して損したぜ。よし、とりあえず今から地獄に装備を受け取りにいってそこで記憶を塗りなおそ。
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これが本当の聖剣交代……ごめんなさい。
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