第890話 灰色の燐寸万竜水
なるほど、肺が損傷した可能性があるのか……
確かにそれなら物理攻撃無効を持っている俺が気圧によってダメージを受けた、というのは納得できる話だな。
にしても眼の時といい、メガネくんは本当に博識だなー。リアルでは結構エリートだったりするんだろうか?
リアルの詮索はマナー違反だから直接本人に聞くことはないだろうが、結構頭良さそうだからなー。あながち間違いでもなさそうだ。
もしそうならリアルでは平々凡々な俺と、なんか対照的だな。凡人の俺がゲームでは魔王で、その部下が現実ではエリートって、なんか皮肉られてる気がする。
よし、じゃあ皮肉られても大丈夫なようにもっともっと強くなってやろう。圧倒的な強さを手に入れることができればゴチャゴチャと言われることもないだろう。
ってか、宇宙って思ったよりも簡単に行けるんだな。いつだったか何かの理由で宇宙に行こうとしてた気がするが、こんなに簡単に行けたんだな。
圧無効、そして窒息無効を持っている今ならばもう阻むものは何も無いはずだ。それに新しく手に入れた天翔機動も宇宙に行く際は役に立ってくれるはずだ。
ん、そもそもどんなスキルだっけ? 一気に色々きてしっかり見てなかったな。
ふむふむ任意で空中に足場を作れるのは天駆と一緒でそこから更に移動速度上昇と抵抗が減るってことか。
めちゃくちゃ強くなった訳じゃ無いが、無難に使いやすくなってくれたな。
そういえば宇宙って何があるんだろうな。流石に無限に広がり続けるのは物理的に無理だろうが、ダンジョンとかあったりするのか? それならこのクエストが終わって国関係が片付いたら宇宙に行ってみるのもありだな。
でも、今は目の前のことに集中しないとな。死ぬのに時間を使い過ぎてもう国を奪還する日が明日に迫ってる。
まあ、今のままでなんの問題もないだろうが、軽く打ち合わせをして明日に望む予定だ。やろうとしてることは結構グレーなマッチポンプだからな。万が一の事故を防ぎたいのだ。
「ふむ、来たか。では明日に向けての確認をするぞ」
俺が王様達の待つ部屋に向かうと早速そう切り出された。にしても貴族の屋敷ですらこんなに部屋数があるんだな。王城ともなればどんな規模になるんだろうか。想像もつかないな。
「明日の流れを確認します。まずはライト様がブディオス国に攻め入ります」
次は騎士団長が発言した。流石に王様に一から説明をさせるわけにもいかないからまあ妥当だろうな。
「この時注意していただくのはあくまで襲うという形を民衆に印象付ける、ということです。間違っても人の命を奪ったり建物を壊したりはなさりませんようお気をつけ下さい」
これに関しては死にまくっている時に話を聞いていた。まあ、それもそうだよな。王様として復活するために、治める国と民を失ってしまっては本末転倒もいいところだからな。
まあ、少し注文が多く聞こえるような気もするが、こちらが協力すると言った以上素直に従ってやる。
借りは後でしっかり返して貰えばいいだけだがらな。
「はい、しっかりと心得ておりますよ」
これは王様に対するアピールだ。こういう時は信頼関係が大事だろうからな。
まあ、そんなこんなで細かいところを詰めながら事前準備は完了した。後は国に攻め入り、騎士団長を含む護衛達にやられれて撤退するだけだ。
予定通り行けばいいんだが、なんかモヤモヤが残ってるんだよな。まあ、最悪の場合は俺が国民全員に魔王勅命を使えばいいんだけどな。
でも疲れそうだからなるべく作戦は成功して欲しい。そう思いながら俺はベッドに入り眠りについた。
じゃなくてログアウトした。
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