第887話 宇宙での死
結論から言おう。俺は宇宙空間まで到達したのだが、結果的に死ぬことはできなかった。
俺はてっきり地球と宇宙の気圧の差で体内にある空気が膨張して俺の体が弾け飛ぶと思ってたんたが、何も起きなかったのだ。
俺は少しでも爆散の助けになればと思って空気をいっぱい吸ってきたのに無駄骨に終わってしまった。
そういえば俺、窒息無効を持ってたのだがもしかしてそれが原因なのだろうか。でも、窒息が無効になってるだけで息はできるぞ?
ってことは体の中に空気はあるってことだよな? なら死ねるんじゃないのか?
「あ、」
ダメージが減ってる?
もうここで死ぬのは諦めようとしたその瞬間、俺のHPが増減していることに気がついた。何故か減ったり増えたりしているのだ。これはどういうことだ?
死ぬまでは至らないけどダメージは入ってるってことだよな? それでも自動回復が追いついているのか?
ん、ってことはじゃあHP自動回復を封印すれば死ねるってことか? よしじゃあ封印しよう。いやー本当に封印のスキルを作って良かったなー。事あるごとに活躍してく
あれ、無いぞ? あ、そうかHP高速再生になってたんだっけな。、、、ない。あれ? 俺いつの間に自動回復失ってたのか? 俺は何度も何度もスキル欄を隈なく探したのだがそれでもHPの二文字は見つからない。
だが、これしきのことで諦める俺では無い。俺が死ぬ為であればどんな労力すら厭わない。それが俺だ。こうなったら一つずつ確認してやる。俺が見落としているとは思えないが、スキルが一人でに忽然と消え失せると言うことも考えづらいからな。見つけるまで探してやるからな!
「……ない」
一つずつ確認し始めて半分ほど見終わったんだが未だ見つからない。HP自動回復って最初の方に獲得したんじゃ無かったか? なんでないんだよー。
愚痴をたれながらもなんとか最後まで到達しかけたその時、
「あ、再生の焔」
そういえばあったなこんなの。すっかり忘れてたぜ。ダメージを食らったら炎をだして回復するって奴だな。
エフェクトが派手すぎてもはや進化か退化か分からなかった奴だな。まあ、カッコいいからいいんだけどな。
じゃなくて、問題はコイツが俺の自動回復の元凶だってことだ。ってことでコイツを封印すると……
お、食らってる食らってる。しっかりとHPが減ってるようだ。ん、、でも思ったより食らってるな。ってか、そもそも俺のHPが少な
❇︎
俺はいつもの寝室で目を覚ました。どうやら俺は死んでたようだ。これで導線確保完了だな。ようやく俺の仕事を始められる。
俺はすぐさま外に飛び出し、空中へと駆け出した。
宇宙へと続く透明な道のりの間、そしてダメージを受けている間、俺はあることを考えていた。
なんで俺はダメージを受けてるんだ??
だって、冷静に考えると俺は宇宙空間で爆散すると思ってたんだぞ? 体があまりの寒さに凍ってしまうことも考えたがそれは、変温無効があるからないとは思ってた。
でも、俺は今現に爆散せずに宇宙空間に揺蕩っている。そしてダメージも食らっている。そう、これが謎なんだよな。
爆散しないだけなら、別に人間が宇宙空間に行っても爆散しない、っていうだけなんだが、謎にダメージも食らってしまってるんだ。いや、別にそのおかげで俺は死ねるからありがたいんだが、少し気になってしまったんだ。
でも、いくら考えても俺の頭では答えの見当もつかない。
よし、諦めよう。分からないことをいつまで考えても無駄なだけだからな。自分に出来ることを無心にやる。それが俺のやるべきこ
「あ、死んでた」
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