第794話 大誤算

ま、またレビューをいただきましたありがとうございます!!

それにしてもこんなに褒められることなんて日常では滅多にないですから、本当に嬉しすぎて照れちゃいますね笑

これからもまだまだ頑張りますので応援よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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 俺は今、強いものグループの元へ来ていた。しかし、そこで行われていることは俺の想像を遥かにこえるものだった。


「おい! ボケっとしてんじゃねーよぉ!」


 そこには鬼教官の如く立ち振る舞う俺の分体がいたのだ。え、これは悪夢か何かですか? それとも疲れによる幻覚かな? あれ、もしかして俺薬物やってったっけ?


 そんなしょうもない現実逃避しか頭に浮かばないほど、目の前の現実が受け入れられず、意識的にも無意識的にも全力で拒否しようとしていた。


 だが、こうやって全力になっていることが逆説的に目の前の惨状が事実であると告げてくるのだ。あぁ、もう帰りたい。帰って寝たい。そして、ニンニク増し増し豚骨ラーメンを食いたい。もちろん、ネギを含む全てのトッピングを爆盛りは決定事項だ。


「あ、あのー」


 俺の声は虚空へと消えていった。クランメンバーはあまりの俺の厳しさに俺の声を聞く余力がなく、俺自身はその熱意故に耳に届いていない。


 俺からも無視されるって、俺はとことんソロ向けなんだろうな……


 コレはもうアレを使うしかないか。


「【魔王勅命】、忘れろ。今までの事全て忘れろ、俺は何もしていない、何も喋っていない。今までのは全て幻覚で夢を見ていたんだ、いいな、分かったか?」


 強いものグループはコクコクと頷いてくれた。よし、これで俺の失態は完全に揉み消すことができたはずだ。これでやっと本題に入れるな。俺のせいで余計なことをしてしまったな。全く、俺は一体何をやっているんだろうか?


「さて、じゃあ皆んなの成果を教えてくれないか? どれくらい成長できたんだ??」


「はい、では私の方から説明させて頂きます」


 そう申し出てきたのは、背がすらっと高く、小綺麗な顔をした剣士だった。どうやら、田中王子といって、強いものグループの中でも特に強く、リーダーシップも兼ね備えている人らしい。


 見た目も良くて、強いなんて、単純に羨ましいな。


「先ずはレベルですね。レベルに関してそれぞれ個人差はありますが、平均的に十レベル以上は各個人上げることができました!」


 おー、平均十レベルは中々上出来ではないのか? それくらいのレベルを上げるのがどれほど大変かは分からないが、言い振りからして凄いことなのだろう。


 ん、でも今、先ずはって言ったよな? レベル以外に何かあるのか?


「そして、他にもスキルや称号を獲得することができました」


 あ、そっちか。とは言ってもただモンスターを倒していただけだろう? それだけで獲得できるものなんかあるのか?


「先ず称号ですが、全員が《アンデッドバスター》と《スパイダーバスター》を獲得しました。どちらもアンデッドと蜘蛛に対して攻撃が特効になるようです!」


 お、おう。二階層のスケルトンとクモを倒しまくったんだな。ってか、それを全員でってどんだけ倒しまくったんだよ。


「そしてスキルは、皆バラバラになるのですが、一番多かったのが急所に攻撃を当てることで確定クリティカルが発生する、【致死の一撃】ですね。次点で、【バーサーカー】などの強化系も多かったみたいです」


 ほうほう。


 ……ってか、コイツら強くなりすぎじゃねーか?


 勝手に放置してただけなのにここまで大きく成長してくれるなんて、メチャクチャ良いじゃないか!


 だが、こう見えて結構時間が経ってしまっている。残り二日、最後の仕上げをしないとな。

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